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ニュースな本

チマ・チョゴリ 制服の民族誌 [著]韓東賢

[掲載]週刊朝日2006年8月4日増大号
[評者]永江朗

■北朝鮮にはないチマ・チョゴリ

 真保裕一の『栄光なき凱旋』(小学館)には、太平洋戦争下のアメリカで日系人がいかに苦労したかが描かれている。スパイではないかと疑われたり、収容所に入れられたり。真珠湾奇襲を決めた日本の軍人たちは、日系人がどんな目に遭うかなどチラとも考えなかったに違いない。

 同じく金正日は、ミサイルを発射したら、在日コリアンたちがどんな思いをするか、まったく考慮しなかったのだろう。案の定、7月5日以降、民族学校にはいやがらせが続いているそうだ。

 民族学校といえばチマ・チョゴリ制服である。考えてみると不思議だ。海外にある日本人学校で、キモノをモチーフにした制服があるなんて聞いたことがない。なぜ彼女たちはチマ・チョゴリを着るのだろうか。韓東賢(ハントンヒョン)の『チマ・チョゴリ制服の民族誌(エスノグラフィー)』は、チマ・チョゴリ制服についての文化研究である。

 制服というから、教師や親が決めたのかと思ったら、まったく違った。女生徒たちが自発的に着るようになったのが始まりで、学校側がそれを追認して制服になったというから驚きだ。時代は1960年前後。朝鮮戦争が終わって間もなくであり、北朝鮮への「帰国」運動が盛り上がっていたころだ。民族意識が高まってのことではあるが、不思議なことに、北朝鮮にこんな制服はない。つまり、在日の民族学校の生徒独自の服装文化であり、民族の誇りと祖国への憧れを表現したものなのである。

 在日コリアンも、日系日本人も、肌の色や顔つきだけでは違いがわからない。普通に洋服を着ていたらまったく区別がつかない。だからひっそりとしていることもできたはずだ。でも彼女たちはチマ・チョゴリを着て、自らのルーツを明らかにすることを望んだ。私は民族だの誇りだのと言われてもいまひとつピンとこない者だが、当時の少女たちの心意気を思うと、胸が熱くなる。

 現在は民族学校でもチマ・チョゴリ制服を着るのは特別な日だけだそうだ。少しさびしいかも。


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    書籍詳細

    表紙画像

    チマ・チョゴリ制服の民族誌 その誕生と朝鮮学校の女性たち

    • 著者: 韓 東賢
    • 出版社: 双風舎
    • ISBN: 4902465086
    • 価格: ¥ 2,310

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