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人はなぜ太るのか─肥満を科学する [著]岡田正彦

[掲載]週刊朝日2007年02月16日増大号
[評者]永江朗

■「あるある」捏造事件

 「あるある」捏造事件を見ていてあらためて痛感するのは、《やせたい願望》の強さである。とにかくやせたい、楽してやせたい、という人がいかに多いか。昔からダイエット本と英会話本はどんなクズ本でも必ず売れる出版界二大鉱脈といわれてきたけれども。私も『必ずやせる読書ダイエット』でも書こうかな。

 しかし、岡田正彦『人はなぜ太るのか』を読むと、ダイエットに王道などないことが分かる。

 著者は新潟大医学部の教授で、専門は予防医療学と長寿科学。つまり、美容のための研究ではなく、病気にならないための、そして長生きするための、肥満とその予防を研究している。

 はやくやせたい、とにかくやせたい、という人には少々かったるいかもしれない。なにしろ肥満の仕組みについての解説から始まるのだから。食べ物がどう身体に取り込まれ、あるものはエネルギーとなって使われ、あるものは排泄され、そして残ったものが脂肪として溜まっていくのか。

 でも、どうして太るのかが理解できなければ、上手にやせることはできない。「太る体質だから水を飲んでも太ってしまう」なんて非科学的なことを信じていると、下らないテレビ番組に騙されてしまうのだ。急がば回れ。まずは肥満のメカニズムを押さえるべし。

 太りやすい食べ物もあれば、太りにくい食べ物もある。必ずしもカロリーの高低とは関係がない。いろんなものをバランスよく食べるのがいい。ひとつだけはっきりしているのは、食事だけでやせるのも、運動だけでやせるのも難しいこと。両方をバランスよく組み合わせなければ、きれいにやせることはできない。要はバランス感覚。そして規則正しい生活。

 おしまいのほうに「ちょっぴりやせるため」のアドバイスがある。「とにかく食べる量をへらす」「職場でも家庭内でも、緊張感をわすれない」のがポイントだという。太っちゃった、やせられない、という人は、やっぱり食べ過ぎているのだ。

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