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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ニュースな本> 記事 ニュースな本 日本の食卓からマグロが消える日―世界の魚争奪戦 [著]星野真澄[掲載]週刊朝日2007年02月23日号 ■マグロが消える 東大西洋でとれるクロマグロの日本への割当量が減る。2007年は現在に比べ11.1%減。2010年は23.2%も減るのだそうだ。「大西洋まぐろ類保存国際委員会」という資源管理機関の会合で決まった。東大西洋なんて関係ないよ、なんて思っていたらたいへんだ。日本で消費されるクロマグロの約7割が東大西洋産! トロはますます遠ざかる(どのみち私はトロが苦手だが)。 しかし、遠ざかるのはトロだけではないらしい。星野真澄『日本の食卓からマグロが消える日』によると、マグロだけじゃなくほとんどあらゆる魚が手に入りにくくなりそうだ。本書はNHKで放映されたドキュメントを基にしたもの。著者はNHKのディレクターである。 なぜマグロが消えるのか。温暖化の影響? なんて思ったら違った。副題は「世界の魚争奪戦」。いまや世界中が魚の奪い合い状態なのである。 大きな理由の1つは中国。経済成長いちじるしい中国では、空前の海鮮ブームが起きているという。豊かな人が増えただけでなく、内陸まで新鮮な魚を運ぶことが可能になった。いままで海の魚、生の魚に見向きもしなかった人たちが食べるようになったのだ。しかも中国の人口は日本の10倍。中国はもはや食糧輸出国でなく輸入国なのである。中国だけでなく、世界中が海の魚を食べる。「SUSHI、SASHIMIが世界の共通語になった」なんて浮かれている場合ではない。 印象的なのは日本の商社が中国にセリ負けるシーンだ。日本の消費者は見た目にうるさく、しかも高ければ買わない。そこが売り手に嫌われる。世界の現状と日本人の意識にギャップがある。 問題は複合的である。たとえば、日本では若い漁師が育たず、漁業の技術が伝わらない。日本のマグロ船が中国に買い取られていくシーンもショッキングだ。 やがて、色だの形だのにつべこべ言わず、口に入るだけで御の字という時代が来るのだろうか。
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