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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ニュースな本> 記事 ニュースな本 ヒラリーvs.ライス [著]ディック・モリス、アイリーン・マクガン [訳]大須賀典子[掲載]週刊朝日2007年03月16日号 ■米大統領選 来年はアメリカ大統領選挙がある。誰がブッシュの次の大統領になるかは、安倍さんの次に誰が首相になるかよりも、日本人にとって重大な問題かもしれない。 1月20日、ヒラリー・クリントンが出馬表明をした。もうすでに選挙は始まったも同然。対する共和党の候補はマケインか、それともジュリアーニか? ディック・モリスとアイリーン・マクガンの『ヒラリーvs.ライス』は、ヒラリーとライスがもし戦わば、という本である。ライスとは、現国務長官のコンドリーザ・ライスのこと。ライスは大統領選に出ると言っていないし、いま選挙が行われれば、ヒラリーが当選するのは確実だ。もし阻む者があるとすれば、それはライス以外にいない。というわけで「ヒラリー対ライス」なのだ。 もっとも、本書の内容はヒラリーを徹底的にこき下ろし、ライスを持ち上げるというもの。ヒラリーはろくな実績も能力もなく、人格的にも問題だらけで、権力欲にとりつかれた人物である。一方のライスは、頭脳明晰で実務能力は抜群、ピアノを弾かせればプロ級の腕前。おまけに性格は素晴らしくいい。いずれも著者によれば、であるけれども。 著者のひとり、ディック・モリスはビル・クリントンの政治コンサルタントだった。長年ヒラリーを身近で見てきて、知りつくしているということらしい。だが、ここまで対照的に書くと、何もかもがマユツバものに見えてくる。モリスは現在、右翼系のテレビ番組、FOXニュース・チャンネルのコメンテイターも務めている。 ライスが出馬すれば、選挙は大いに盛り上がるだろう。でも、重要なのはイラク情勢だ。フセイン元大統領を処刑しても、泥沼状況の出口は見えない。本書はライスとイラク戦争の関わりについて、ほんの少ししか触れていないけど。イラク情勢がさらに悪化すれば、ライスは大統領選どころじゃなくなる。まさか、イランを爆撃したりしないだろうね? イラクの失敗から目をそらすために。
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