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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ニュースな本> 記事 ニュースな本 赤い糸 [著]メイ[掲載]週刊朝日2007年06月29日号 ■少年少女のリアル 大手取次店のトーハンが、今年上半期のベストセラーを発表した(出版界では12月から5月末までが上半期なのである)。総合の1位は渡辺淳一の『鈍感力』。以下、『日本人のしきたり』や『女性の品格』、ゲームのポケモン関連本などが続く。 「単行本・文芸」の部を見て愕然とする。1位『赤い糸』、2位『もしもキミが。』、4位『純愛』、8位『クリアネス』、9位『翼の折れた天使たち 星』、10位『永遠の夢』。なんとベストテンのうち6点がケータイ小説。ほかは本屋大賞の『一瞬の風になれ』が3位で、ライトノベルの『DDD』が5位、『東京タワー』が6位、芥川賞の『ひとり日和』が7位。ケータイ小説の圧勝だ。 メイ著『赤い糸』を読んでみた。主人公は中学2年生女子の「アタシ」。隣の男の子に片思いしたり、別の男の子が好きになったり別れたり、三角関係になったり、という恋愛小説。だが内容はすさまじい。「中2にして体験人数50人。100人ギリまであと半分っていう恋愛の達人だ」なんていう男の子が出てきたり(のちにアタシの恋人になる)、タバコ吸ったり、酒を飲んだり。見知らぬ男たちに拉致されて強姦されるわ、恋人の名前の刺青を入れるわ、という大変な展開だ。もちろん自殺未遂、記憶喪失、妊娠、ドメスティックバイオレンスとフルコースで揃っている。まさにケータイ小説の王道である。 横書きで印刷された文章は稚拙で、展開はご都合主義。おまけに赤い字だから読みにくいことこの上ない。こんな本を読む忍耐強い中高生が150万人もいるのか! 内容は陳腐だし、作品としては小説以前だ。しかしこの手の本が売れるのは、書かれていることが今どきの少年少女にとってリアルだからだろう。性交も飲酒も喫煙も強姦も自殺未遂も、彼女たちにとってそう遠い出来事ではないのだ。 アタシがDV男と絶縁する証しとなるのが、携帯電話の番号変更であるというのが実に興味深い。そんなに携帯電話が大事か?
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