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ここから本文エリア 現在位置:asahi.com>BOOK>ニュースな本> 記事 ニュースな本 失言から見た政治家の品格 [著]牧野武文[掲載]週刊朝日2007年07月27日号 ■久間前防衛相発言 政治家の失言にもいろいろあるけれども、久間前防衛相の「原爆=しょうがない」発言はかなり程度が低い。仮に本音だとしても、防衛大臣(しかも初代)という立場も、参院選直前という微妙な時期もわかっていなかったのか。状況判断ができないのは、政治家として致命的な欠陥だ。 しかも久間は長崎県出身で選挙区は長崎二区。もし次の選挙で久間が当選すれば、長崎二区の人びとは原爆を「しょうがない」と認めたことになってしまう。次の選挙で試されるのは、久間でなく長崎県民である。 牧野武文『失言から見た政治家の品格』は、政治家の失言を集めて解説を付け加えたもの。第一章は今世紀に入ってからの失言だが、戦後から90年代までの失言も集められている。巻末には失言別の索引(例「大阪はたんつぼ」)と政治家別の索引(例の発言者は森喜朗)がついている。 書名は昨今の品格ブームにあやかったのかもしれない。しかし本当に失言というものには政治家の品格がにじみ出るのだ。「原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」なんて講演で語る安倍晋三官房副長官。創氏改名は朝鮮の人が望んだのが始まり、と言う麻生太郎総務相。堺屋太一経企庁長官をバカ呼ばわりした中川昭一農水相(肩書はいずれも発言当時)。中途半端な知識や思い込みであるとか、思ったこと感じたことの垂れ流し。もしかしたら聴衆へのサービスのつもりなのかもしれないが、彼らはその発言がもたらす結果を考えていない。 佐藤栄作総理を「財界の男メカケ」と罵り、閣僚たちに「腰抜け」「あほ」と浴びせた青島幸男議員のような人もいたが。 失言は、問題になった後の態度も見ものだ。潔く謝る政治家は少なくて、ごにょごにょと言い逃れを続けたり、メディアのせいにしたり。そういや久間前防衛相は「しょうがない」は九州の方言だと言い張って失笑を買っていた。辞任の理由も参院選への影響を考えてとか。反省はないらしい。
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