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学校裏サイト [著]下田博次

[掲載]週刊朝日2008年04月25日号
[評者]永江朗

■暴走する掲示板、これでも中高生に携帯電話は必要か

 文部科学省の調査によると、学校裏サイトが約3万8千件もあるそうだ。学校裏サイトというのは、学校ごとに生徒らが開設したインターネットの掲示板。非公式なのでこう呼ばれるが、中傷やいじめの温床になっているという。非公式だから3万8千という数字は氷山の一角なのだろう。

 下田博次『学校裏サイト』はそのままズバリ、学校裏サイトの現状と対策についての本である。著者は群馬大学の教授で、2004年からこの問題について研究してきた。

 本書には具体的な書き込み例が載っているが、たしかにひどい。言葉だけでなく、性器などの画像をアップすることもあるという。著者は学校裏サイトを「子どもたち(中高生)の2ちゃんねる遊び」と表現する。なるほど。匿名で書き込めるため、誹謗中傷やウソも少なくない。しかも、2ちゃんねるの場合は、ひどい書き込みを諌める発言や真っ当な議論もある程度あるが、学校裏サイトの場合は荒れる一方だ。

 著者は携帯電話について「電話もできるインターネット端末」と認識すべきだという。こんな魔法の道具を、判断力も自制心も未熟で、好奇心いっぱいの中高生が与えられるのである。興味と欲望のまま暴走してしまうのも無理はない。たとえば、恋人に求められるまま自分の裸の画像を送信した女子生徒は、それがどんな結果を招くのか想像できない。とんでもない事態になってから後悔しても手遅れだ。

 難しいのは対策だ。裏サイトの存在を知った校長が、「発信をやめるように」と朝礼で命令口調で言ったため、反発でますます過激化した例も本書にある。まずは親と教師、そして子ども自身が、携帯電話の危険性を知り、使い方について自覚する。遠回りだけど、これしかないように思える。

 それにしても、どうして中高生に携帯電話を持つ必要があるのか、私には理解できない。携帯電話を持たぬは人にあらず的風潮は、電話会社の陰謀か?

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