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iPhone Fan Book [著]丸山弘詩・田中裕子・瀬古茂幸

[掲載]週刊朝日2008年8月1日号

  • [評者]永江朗

■iPhoneは読書も変えるかもしれない

 7月11日はアップル社の携帯電話、iPhone(アイフォーン。「アイホン」だと、インターホンの商品名)の発売日だった。東京のソフトバンク表参道店では7月8日から並んだ人もいたそうだ。3泊4日の徹夜組である。もっとも、昨年、アメリカで発売されたときは、フィラデルフィア市長が前日から並んでいるところを見つかり「市政と携帯電話のどっちが大事なんだ!」と大問題になったというから3泊4日ぐらい当然か。日本では徹夜した市長こそいなかったけれども、ソフトバンクの孫社長に「一台ぐらいなんとかしてくれ」と電話した政治家が何人もいた、と私は勝手に想像している。

 丸山弘詩・田中裕子・瀬古茂幸著『iPhone Fan Book』は、アイフォーンの使用解説書のような本である。発売は昨年の8月。つまり、日本で同機が発売されるかどうかもわからない時点で出版された。そもそも特定の携帯電話機についての本が出ること自体が珍しいのに、日本で売られてもいない機種の本が出るなんてまったく異常ではないか。つまり、それくらいアイフォーンがすごいということである。なお、本書が紹介しているのは昨年アメリカで出た機種で、11日発売になったのは新型(3G)。

 はたしてアイフォーンを携帯電話と呼んでいいのか。同書を読んでそう思う。これは小さなパソコンであり、iPodであり、インターネット端末である。電話は多様な機能のひとつでしかない。

 インターフェイスが素晴らしい。「絵文字が使えない」「おサイフケータイ機能がない」などと、アイフォーンにない機能を並べて、日本における失敗を予言する人もいるが、日本の携帯電話とはまったく別の方向を向いて進んでいる感じだ。

 7月13日まで開催された東京国際ブックフェアでも、アイフォーン関連ブースは大盛況だった。同機は電子書籍端末としても注目されている。使い勝手も上々だ。アイフォーンが読書を変えるかもしれない。

表紙画像

iPhone Fan Book US仕様対応版

著者:丸山 弘詩・田中 裕子・瀬古 茂幸

出版社:毎日コミュニケーションズ   価格:¥ 1,344

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