ここから本文エリア

RSS

現在位置:asahi.com>BOOK>デジタル読書トレンドWatch!> 記事

文・落合早苗

電車の中のヘンなもの、集めてみました 「電HEN」シリーズ

2007年02月26日
[評者]落合早苗

 携帯電話のauには「EZ Book Land!」という名称の、本のポータルサイトがある。公式サイト内で配信されているケータイ向け電子書籍ならびに書籍の新刊情報や話題書といったものが、毎週木曜日に更新される。ケータイ向けの電子書籍の普及促進の一環で、現在無料の書き下ろしケータイ小説を配信中だ(高速通信のWin機のみ対応)。『東京三角恋愛ネ申ぱかっぶる』という一風変わったタイトルで、まだ第二話が配信されたばかり。タイトル通り一組のばかっぷるが登場、三角関係を匂わせる描写も盛り込まれており、おもしろい展開になりそうだ。

 著者の吉田裕一氏はドラマ版「Deep Love」なども手がけたシナリオライター。『電車内で聞いたHENな会話♪』『電車から降りた男女のHENなドラマ♪』(吉田裕一 with 電HEN倶楽部/モバイルメディアリサーチ)など人気ケータイ向け電子書籍の著作を持つ。ケータイ読書の世界ではコミックやボーイズラブといったものが売れ筋ジャンルだが、サブカルチャー寄りのやや異色なジャンルでありながら、新刊が配信されるごとに上位に浮上するシリーズで、ファンも10代から50代までと幅広い。『東京三角恋愛ネ申ぱかっぶる』の源流も『電車から降りた男女のHENなドラマ♪』に見ることができる。

 電車内でつい聞き耳を立ててしまうおかしな会話やおかしな行動に遭遇することはそう珍しいことではないが、これら「電HEN」シリーズで取り上げられているエピソードは、日常的風景をはるかに超えた、奇想天外な、文字通りHENな会話ばかりが厳選されている。どういう暮らしをすれば、ここまでHENな話を集められるのか、その取材力、ネットワーク力には感嘆。ややお下品な作風でアクは強いが、ハマるとつい新作を買ってしまう求心力がなぜかある。往時の『VOW』(宝島編集部)のようなものと考えるとイメージしやすい。

 人気シリーズだが、発行元のモバイルメディアリサーチによれば、ケータイだからこそ売れているのであって、現段階での書籍化の予定はないとのこと。まさしくケータイ読書向けに書き下ろされた作品群でデジタルデバイスでしか読めないが、新しもの好きやお笑い系が好きな人なら、電子書籍体験と合わせてトライしてみてもよいだろう。

 ※このシリーズは電子書籍オリジナルです

hon.jp

ここから広告です

広告終わり

電子書籍を探すならhon.jp

プロフィール

落合早苗(おちあい・さなえ)
 株式会社hon.jp代表取締役社長
 学習院大学文学部卒。出版社・IT関連サービス会社等を経て2004年3月インプレス(現・インプレスホールディングス)入社。同月設立の100%子会社リーディングスタイル(現・hon.jp)に出向。丸善丸の内本店の電子書籍体験コーナーの運営や表参道のカフェを使ったケータイ読書プロモーションを企画実施。2006年10月より現職。日本ペンクラブ会員。日本出版学会会員。

このページのトップに戻る