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文・落合早苗

テレビドラマ→コミック、逆パターンが新鮮 『ヒミツの花園』

2007年03月05日
[評者]落合早苗

 1月にスタートした連続ドラマもそろそろ佳境。このクールは小説・コミックを問わず原作を持つ番組が特に目立ったが、2月に、ドラマのノベライズならぬドラマのコミカライズが登場した。件の作品は『ヒミツの花園』(永田優子・めぐみ京香/扶桑社)。毎週火曜日夜10時にフジテレビ系列で放映されている同タイトルをコミック化したものだ。上下巻に分けての刊行で、下巻はドラマ終了時に発売される予定だ。

 ドラマのコミカライズは過去にも例はある。が、本作品はケータイ読書向けにも電子書籍が新刊とほぼ同時に配信されたという点で目新しい。

 『ヒミツの花園』は、ファッション誌からコミック誌に異動になった女性編集者が主人公。彼女が担当する人気マンガ家・花園ゆり子は、実は4人兄弟という設定の、コメディタッチのドラマ。コミックはドラマに忠実な仕上がりだ。

 ケータイ版の特徴としては、他の作品と比べてもバイブレーション機能が多用されていること。ケータイコミックはスクロールボタンでコマが遷移するが、制作時にあらかじめ仕込んでおくと、該当のコマで端末が震動するという仕組み。この機能自体は新しいものではないが、本作品では、はっと目を覚ます/ドアを乱暴に閉める/物を落とすなどのシーンにふんだんに組み込まれている。コメディ作品は登場人物たちの喜怒哀楽が大げさで激しいほど楽しいものだが、いきなりケータイ端末や画面が震え出せば、読者はストーリーと同じようにどっきり感を味わえる。またドキっとするシーンというのは場面転換や急展開の発端となることが多く、読者の感情の切り替えを促すことにもなるだろう。なお、バイブレーション機能は動作設定でOFFにすることもできる。

 実写と作画とにギャップを感じる人にはドラマのイメージを損ねてしまう可能性もあるが、ドラマのセリフや構成がそのまま「ネーム」として生かされており、ドラマを追体験できる。もちろんドラマを知らない人にとってはストーリー性のある独立したコミックとしても楽しめるだろう。小説・コミックからドラマへ、の昨今のパターンの逆をいく、おもしろい試みだ。

hon.jp

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プロフィール

落合早苗(おちあい・さなえ)
 株式会社hon.jp代表取締役社長
 学習院大学文学部卒。出版社・IT関連サービス会社等を経て2004年3月インプレス(現・インプレスホールディングス)入社。同月設立の100%子会社リーディングスタイル(現・hon.jp)に出向。丸善丸の内本店の電子書籍体験コーナーの運営や表参道のカフェを使ったケータイ読書プロモーションを企画実施。2006年10月より現職。日本ペンクラブ会員。日本出版学会会員。

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