2008年5月15日
7月発売予定の『ハリー・ポッターと死の秘宝』(J.K.ローリング著・松岡佑子訳/静山社) が、Amazon.co.jpのランキングですでに上位に輝いている。発売日には徹夜で書店の前で待ち並ぶファンの姿がニュースで報道されるなど、世界的に大人気シリーズの最終巻にあたるもので、日本国内のファンにとっては待望の巻でもあり、また「いよいよ」という感慨深い巻であるに相違ない(英語版はすでに昨年7月に発行されている)。
この「ハリーポッター」シリーズに対する関心の高さは電子書籍の世界でも同様なのだが、現在のところデジタル化されたファイルはiPod向けのオーディオブックのみ。P2Pネットワーク上に違法なデジタルファイルが出回ったために著者のローリング氏が特別に踏み切った措置で、今後他のファイル形式での電子書籍化の予定はないのだそうだ。当然、日本で翻訳版が電子書籍として発行される可能性もきわめて低い。
ただし、ファンブックならばすでに配信されている。 「『ハリー・ポッター』の秘密の学校 豪華総集版」(ローリングを愛する魔法の会/コアラブックス)、である。単行本は2004年1月(紙の書籍の発行元はアートブック本の森)、電子書籍版は同年8月に発行されたもので、この段階ですでに発売されていた『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』までのあらすじはもちろん、同年9月に日本語版の発売が予定されていた第5シリーズ『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』の早読版までがカバーされている。
ボグワーツ魔法魔術学校の詳細、魔法使いの就職ガイド、料理ガイド、ファッションガイドなど、あらゆる角度からシリーズの世界観が楽しめる作りになっている。架空の超人気スポーツ・クィディッチに関する話題も豊富だが、ローリング氏自らによる解説書「ホグワーツ校指定教科書2『クィディッチ今昔』 」の紹介も忘れない。ポッタリアンのポッタリアンによるポッタリアンのための一冊であり、また初心者にもわかりやすい入門書でもある。
すでに予約も順調な超話題巻。シリーズがいよいよ完結となるのは淋しいファンにとって、こんな関連書であらためてハマってみるのも一興。
著者:J. K. ローリング
出版社:静山社 価格:¥ 3,990
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ウェブ上で流通し、PCや携帯電話などのデジタル機器で読める書籍のこと。文芸などの文字もの・コミック・写真集とジャンルは多岐に渡る。ウェブサイトからダウンロードして読むタイプのものと、オンラインで閲覧するストリーミングタイプのものがある。

株式会社hon.jp代表取締役社長
学習院大学文学部卒。出版社・IT関連サービス会社等を経て2004年3月インプレス(現・インプレスホールディングス)入社。同月設立の100%子会社リーディングスタイル(現・hon.jp)に出向。丸善丸の内本店の電子書籍体験コーナーの運営や表参道のカフェを使ったケータイ読書プロモーションを企画実施。2006年10月より現職。日本ペンクラブ会員。日本出版学会会員。
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