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DS、iPhone、フィルタリング問題 これからどうなる? 『電子書籍ビジネス調査報告書2008』

2008年7月22日

  • [評者]落合早苗

図拡大出典:「電子書籍ビジネス調査報告書2008」インプレスR&D発行

 7月9日、例年よりやや早く2007年度(2007年4月〜2008年3月)の電子書籍市場規模が発表された。

 電子書籍ビジネスに関する年次報告書ともいえる『電子書籍ビジネス調査報告書2008』ならびに『電子コミックビジネス調査報告書2008』(ともにインターネットメディア総合研究所/インプレスR&D)によれば、2008年3月期の市場規模は全体で355億円。数年来の勢いがいっそう増し、携帯電話向けの電子書籍が283億円、うちケータイコミックは229億円と、全体の約65%、携帯電話向け電子書籍の約81%を占めるにいたった。

 昨年度の報告書に見られた電子書籍配信サイトの飛躍的な増加は、この1年、落ち着きはじめている。かわりに「売れる」配信サイトがますます浮上し、上位数社がより強大になりつつある。アンケート調査の「サイトを選ぶ理由」に注目すると、2006年度までは品揃えや料金といった作品やサービスに関する回答が上位を占めていたのに対し、最新版では広告やバナーによる衝動買いがトップの「品揃えがよいから」に肉迫。市場が一定規模に達して、今後はいよいよ顧客獲得競争が激化していくことになるだろう。

 反対にパソコン・PDA向け市場は2006年度70億円から2007年度72億円と鈍化。すでにIT系のニュース媒体で報じられている通り、国内の読書端末とその配信サイトは撤収となる。読書端末についてはAmazon Kindle売れ行き良好のニュースと対比されるが、米シリコンバレー情報サイト・Teck Crunchの記事によれば、シティグループがその実売台数を1万〜3万と推定しており、売れ行きがほんとうに「良好」といえるかどうかは微妙で、読書端末や電子ペーパーに市場が開けるかどうかは、国内外を問わず、現段階では未知数である。

 ほかにDSやiPhoneなど、携帯電話以外のデジタル機器に対しても電子書籍・電子コミック配信ははじまった。ケータイではフィルタリングという課題も残されている。来年の報告書が発表されるころ、市場はこれまでと同様の成長率を保っていられるのか。引きつづき動向を見守りたい。

 ※『電子書籍ビジネス調査報告書2008』ならびに『電子コミックビジネス調査報告書2008』(オンデマンド版)は一般書店でのお取り扱いはございません。インプレスR&Dのサイトにてお求め下さい。

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電子書籍とは

ウェブ上で流通し、PCや携帯電話などのデジタル機器で読める書籍のこと。文芸などの文字もの・コミック・写真集とジャンルは多岐に渡る。ウェブサイトからダウンロードして読むタイプのものと、オンラインで閲覧するストリーミングタイプのものがある。 

プロフィール

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落合 早苗(おちあい・さなえ)

株式会社hon.jp代表取締役社長

学習院大学文学部卒。出版社・IT関連サービス会社等を経て2004年3月インプレス(現・インプレスホールディングス)入社。同月設立の100%子会社リーディングスタイル(現・hon.jp)に出向。丸善丸の内本店の電子書籍体験コーナーの運営や表参道のカフェを使ったケータイ読書プロモーションを企画実施。2006年10月より現職。日本ペンクラブ会員。日本出版学会会員。

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