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マガジンウオッチ

目ざわりな「モテ」とは正反対 GLITTER

[掲載]2005年09月11日
[評者]亀和田武

 気色の悪い言葉はいろいろありますが、つい最近まで女性誌の広告にあふれていた「モテ」も、なんとも目ざわりな文字でした。

 モテ服、モテ肌、モテ髪といった字面を見るたびに少しは芸のあるコピーを考えてよ、と毒づいたものです。そんな横並びに均一化された女性誌のなかで、「グリッター」は突出しています。

 ベッカムが表紙の10月号の特集は“オトコを虜にして女をアゲる(ハート)”。大ざっぱな人は「モテ」と同じじゃん、というかもしれませんが、これが大違い。

 「モテ」という言葉からは、つねに男の目を意識した、物欲しげな媚(こび)が匂(にお)います。計算高いのに、どこか鈍重といったら、言い過ぎでしょうか。それと比べると、「グリッター」の“女をアゲる”は正反対。モデルの表情から小物選びまで、誌面からは攻撃的(アグレッシブ)な姿勢が強く感じられます。男に媚を売らないのに、いえ、売らないからこそセクシーで格好いい、の逆説が成り立つのでしょう。

 読者は20代後半から30代半ば。「グリッター」や「グラマラス」に新規参入の「美人百花」など〈大人ギャル〉雑誌はいま一番勢いのある市場です。渋谷109とともに育った消費意欲の旺盛な世代、それが大人ギャルです。

 海外のショップはカラフルで見てるだけでも楽しいのに、日本の洋服屋さんはモノトーンでワクワクしない。だから、自分だけのスタイルを目ざすのがどうやら「グリッター」流のようです。

 ガールズ・ブランドのジャケットも、大人っぽく着ることはできる。値段が高いといって一生ものなんてありえない。編集者のそんなマニフェストに潔ささえ覚えました。109世代は、ようやく自らの消費スタイルに合ったオピニオン誌を持てたようです。



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