あっちでもロハス、こっちでもロハス。最近、ロハスという文字を見ない日はありません。
ライフスタイルズ・オブ・ヘルス・アンド・サスティナビリティの頭文字をとってLOHAS。日本語では「健康的で持続可能なライフスタイル」を意味するそうです。では具体的に何を指すかというと、私にもよくわからない。
ここはひとつ「ソトコト」(木楽舎)を手にとってみるしかありません。「ソトコト」は事あるごとにロハスを取り上げてきた雑誌です。12月号の特集は〈森と音楽のロハス的楽しみ方〉。ウィーン少年合唱団やアフリカの“森の民”が紹介されています。キーワードは「ココロの健康」だそうですが、さて、なんのことやら。“森の椅子(いす)”を紹介したページがありました。どれもシャレたデザインですが、20万円を超す椅子もあります。高えなあ。そう思ったときに気づきました。
やたらと広告が多いのです。ビジュアル処理がすぐれているため目立ちませんが、大手企業の広告がめじろ押しです。よく見れば、表紙に使われているのは、日産自動車のPivoのために村上隆さんが作ったキャラクターです。子どもたちと都市農園の触れあいをテーマにした企画も、隅の方にしっかり“トヨタで巡る、子供・未来・学校の旅”の文字が。
一見それとわからない、洗練された広告ページの集積を眺めるうち、ロハスの実体も見えてきました。〈機能〉を強調するだけでは、もはや商品は売れない。それに気づいた21世紀の資本主義が、総力で開発した“人と地球にやさしい”商品という巨大プロジェクトがロハスです。ただ便利な物を売るのでなく、「ココロの健康」を標的にしている点が、従来のビジネスとの最大の違いです。