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「大草原の小さな家」、原型となる自伝

「大草原の小さな家」シリーズで知られる米国の作家ローラ・インガルス・ワイルダー(1867~1957)の自伝「大草原のローラ物語 パイオニア・ガール」の日本語版が発売された。翻訳者の谷口由美子さんによると、手書きの自伝の存在は以前から知られていたが、2014年に解説と注釈をつけた書籍として米国で出版され、ベストセラーになった。

物語との違い分かる構成に

 この本は、60歳を過ぎたワイルダーが少女時代を振り返ったノンフィクション。これを作家で娘のローズが編集し、物語にして「小さな家」シリーズが生まれた。
 自伝の注釈を読むと、物語との違いが分かる構成になっている。大人向けに書かれた一人称の自伝から、ローラを主人公とする物語に作り直された状況が、母娘の手紙のやりとりなどで明らかになる。谷口さんは「注釈を読み飛ばさず、シリーズと比べながら楽しんで読んでほしい」と話す。
 大修館書店。442ページ、税抜き5800円。3月18日まで東京・銀座の「教文館ナルニア国」で記念展が開催中。3月3日には、谷口さんの対談講演会もある。問い合わせは同店(03・3563・0730)へ。(見市紀世子)=朝日新聞2018年2月24日掲載