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ついにその全貌をお披露メメタァ! 「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」8月開催

文:岩本恵美、写真:斉藤順子

 2017年、漫画家・荒木飛呂彦の代表作『ジョジョの奇妙な冒険』が連載30周年を迎えた。大きな節目の集大成として、東京・六本木の国立新美術館で「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」が8月24日から開催される。展覧会に先駆け、21日には記者発表会が行われ、荒木本人も登壇。全貌が明らかとなった。

 国立の美術館で漫画家の展覧会が開催されるのは、なんと手塚治虫以来、2人目。現役の漫画家では初のことだという。荒木は「国立美術館で個展を開催できることを光栄に思います」とコメントし、「原画には印刷とは違う部分が必ずあります。絵としての発想や絵を描くときの考え方などが、若い人たちの勉強や将来の仕事における考え方にお役に立てることが僕の密かな野望でもあります」と展覧会開催への意気込みを見せた。本展はそうした荒木の意向を反映してか、中学生以下は無料となっている。

 続いて発表されたのが、本展の大阪での開催決定と、東京・大阪各展のために描きおろされたキービジュアルだ。

東京会場Ver.(右)には空条承太郎と富士山、大阪会場Ver.(左)にはディオと月が描かれている
 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社
東京会場Ver.(右)には空条承太郎と富士山、大阪会場Ver.(左)にはディオと月が描かれている (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社

 「神格化されている最強の二人を対になるように描きました。風神雷神から発想を得た部分も。富士山の三角と月の円、昼と夜をイメージした色。こうした絵画的構図にも注目してほしいですね」と荒木は語る。

 展示は、連載30年の歩みを振り返る「ジョジョクロニクル」、『ジョジョ』をデザインの視点から紐解く「JOJO's Design」、荒木の創作の秘密に迫る「ジョジョリロン」など8つのパートで構成。初公開を含むたくさんの原画や関係資料とともに、『ジョジョ』の魅力を多角的に紹介する内容となっている。

 中でも一番の目玉ともいえるのが大型新作原画ゾーンだ。本展のために荒木が描き下ろした2m×1.2mもの大型作品12点が一堂に並ぶ。各作品には実物大のキャラクターとスタンドが描かれており、まるで同じ空間にいるかのような気分が味わえるという。

 さらに注目したいのが他ジャンルで活躍する“JOJO派”のアーティストとのコラボレーション作品。“JOJO派”に名を連ねるのは、美術家・彫刻家の小谷元彦、「ANREALAGE」デザイナーの森永邦彦、ビジュアルデザインスタジオ「WOW」といった錚々たるメンバーだ。彫刻、ファッション、映像の第一線で活躍するアーティストたちによって、どう『ジョジョ』が料理されるのか、期待がふくらむ。

 『ジョジョの奇妙な冒険』は現在、第8部『ジョジョリオン』が月刊「ウルトラジャンプ」にて連載中。この10月からは、第5部『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』のアニメ放送も決定している。コミックスを飛び出し、アニメにアートにファッションにと様々な広がりを見せる『ジョジョ』の波紋から、今後も目が離せない。