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「24歳の僕が、オバマ大統領のスピーチライターに?!」書評 若者が見たホワイトハウス

評者: 西崎文子 / 朝⽇新聞掲載:2018年07月21日
24歳の僕が、オバマ大統領のスピーチライターに?! 著者:デビッド・リット 出版社:光文社 ジャンル:政治・行政

ISBN: 9784334962180
発売⽇: 2018/05/17
サイズ: 19cm/471p

歴史に残る名演説の舞台裏とは? 「大統領の笑いのミューズ」と呼ばれ、2009年からオバマ大統領のスピーチのジョークを担当するようになった著者が、大統領の素顔とホワイトハウ…

24歳の僕が、オバマ大統領のスピーチライターに?! [著]デビッド・リット

 原題は「ありがとう、オバマ」。退任間際に流行ったフレーズだ。しかし、これはオバマ礼賛の書ではない。駆け出しのスピーチライターとしてオバマ政権に加わった著者が、その体験を率直に、ユーモアを交えて語る奮闘記だ。大物の回顧と違い、若者の目を通じて描かれるホワイトハウスはとても新鮮だ。
 失敗談も山ほどある。演説原稿でケニアをシリアと並べて危険な国扱いするといった著者の失策はともかく、オバマ政権の失敗も半端ではない。華々しく打ち上げた医療保険制度のサイトが機能しなかったり、政権最後の中間選挙で共和党に惨敗したり。それでもオバマは不撓不屈だ。
 そして、心揺さぶられる数々の出来事。最高裁で同性婚が合法と認められたのを祝い、ホワイトハウスが虹色にライトアップされた夏の夜。銃乱射事件の追悼で大統領が歌い出した「アメージング・グレース」。「ありがとう、オバマ」と呟きたくなる瞬間だ。