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隣の醸造所で造られた新鮮なビールに舌鼓 自分好みのビールを造ることも

文・イラスト:藤原ヒロユキ
文・イラスト:藤原ヒロユキ

To The Beer Bar~ちょいのみ親父の探訪記~ 第18回「IBU:板橋ブリュワーズユニット」(東京・板橋)

 IBUという言葉を聞くと、ビール通は「インターナショナル・ビタネス・ユニット」を思い浮かべる。
 IBUは、ビールに使われたホップの品種と量によって計算される苦味の数値で、高いほど苦い。
 日本の大手メーカーが造る国産ビールのIBUは16から24が一般的だが、クラフトビールでは50や60という数値も珍しくない。なかには100を超えるものもある。

 味覚は単独で口にするよりも、交じり合うことで素晴らしいハーモニーを奏でる場合が多く、その最たるものが「苦味&甘味」と言える。チョコレートはもとより、ほとんどの焼き菓子はこの原理から成り立っている。
 そして、なにを隠そう、ビールもまた、モルトの甘味とホップの苦味のバランスによって造られるお酒なのである。前記した“IBUの高いビール”もモルトの甘味をしっかりと感じさせることによって「心地よい味わい」に仕上がっているものが多い。

 さて、話が“ビールの苦味”にフォーカスされてしまったが、苦味指数のIBU以外にもビール好きが「ピン!」とくるIBUがある。
 それが、「IBU:板橋ブリュワーズユニット」である。

 場所はJR板橋駅、都営三田線新板橋駅、東武東上線下板橋駅の3駅が利用できる。どの駅からも徒歩3~5分の好物件である。
 角部屋の路面店で、道路側は全面がガラス張り。とても明るく開放的だ。道行く人を見ながら(見られながら?)飲むのも楽しい。

 カウンターに対面する壁に並んだタップの数は22。国内外のクラフトビールと、隣の「東京エールワークス」で造られた新鮮なビールが繋がれている。
 そう! 「IBU:板橋ブリュワーズユニット」の奥の黒い扉をくぐれば、すぐそこに小規模醸造所「東京エールワークス」があるのだ。

 「東京エールワークス」は広さもその風景も“学校の理科室”のようで、1バレル(約120リットル)、ハーフバレル、5ガロン(約20リットル)の発酵タンクが計15本とハーフバレルの仕込み釜が並んでいる。なんとなく“秘密の実験室”といった雰囲気だが、「IBU:板橋ブリュワーズユニット」と同じくここも道路側がガラス張りなので、実に開放的だ。
 興味深いことに、この『東京エールワークス』では、5ガロン(330ml×45本程度)から自分好みのビールを造ることも出来る。

 日本では個人が自宅でアルコール度数1%以上の飲料を造ることが禁止されているが、自家醸造の認められている海外では『The Brew Your Own Big Book of Clone Recipes』など、ビールのレシピ(モルトやホップの配合などのデータ)が掲載されている本が多々ある。
 そんな本をペラペラとめくり、「あー、自分もこんなビール、飲みたいなぁ」と感じたならば、『東京エールワークス』を訪れ、造ってみるのもおすすめだ。
 もちろんその帰りは、隣の「IBU:板橋ブルワーズユニット」でガッツリと飲みにかかろう。

 「IBU:板橋ブリュワーズユニット」は料理も旨いので、ペアリングも楽しめる。
 「ビールもつ煮込み」にスタウト、「和風フィッシュ&チップス、自家製風味塩」にはペールエール。「IBUこだわり逸品の盛り合わせ」は季節の魚介、玉子焼き、しぐれ煮や自家製塩辛といった各種八寸が日替わりで並ぶので、それらを肴にいろんなビールのIBUをチェックしながらちびちびと飲むのもオツなものである。

 板橋の「IBU:板橋ブリュワーズユニット」。
 本当に、いい店だ。また訪れたくなる。