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新書ピックアップ(朝日新聞2018年12月22日掲載)

『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』 

 丸山俊一+NHK「欲望の時代の哲学」制作班著『マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する』 時代と格闘する“哲学界のロックスター”マルクス・ガブリエルが、いまわれわれが立っている場所と希望のありかを知るためのツールとしての哲学的試みを、ドイツ観念論からトランプ現象までをつないで、ポップに提起する。NHKで彼の番組を手がけた丸山が、発言を再構成した。都市のハイパーリアルな風景を旅しつつ、日本の文化的な「壁」を語り、ロボット工学者の石黒浩教授と人間の自己イメージをめぐって論じ合う。
★丸山俊一+NHK「欲望の時代の哲学」制作班著 NHK出版新書・886円

『《受胎告知》 絵画でみるマリア信仰』

 大天使ガブリエルが聖母マリアのもとを訪れて、イエス・キリストの誕生を予告する場面を描いた「受胎告知」は、多くの芸術家たちの想像と意匠によって美術史屈指の名作を生んできた。マリアの表情や小道具に象徴される物語、マリア信仰がキリスト教布教の過程で遂げる歴史的変遷など、多角的な視点で読み解く。
★高階秀爾著 PHP新書・994円

『自衛官という生き方』 

 陸上自衛隊の幹部候補生として1987年に入隊し、2017年に55歳で退職した著者が、約30年の経験から、職業としての自衛官の姿を紹介。組織構成や、慢性的な人材不足の問題。階級ごとの待遇や厳しい訓練の実際。また、結婚事情や家族との関係など私的な話題も盛り込み、自衛隊の今をリアルにわかりやすく語る。
★廣幡賢一著 イースト新書Q・907円

『論破力』

 「2ちゃんねる」「ニコニコ動画」を立ち上げた著者が、人を説得する「論破力」の高め方を伝授。揚げ足取りに対するキラーフレーズ、非論理的な人への対処法、ストレスのマネジメント法などユニークな方法が満載。論破力とは、事実を提示でき、周りの人たちに「この人が言っていることは正しいんだ」と思わせるような「印象」を与えることだという。
★ひろゆき[西村博之]著 朝日新書・875円