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70年代から時が止まったようなスキー場に、「視界ドカーン」なビアバー登場!

文・イラスト:藤原ヒロユキ
文・イラスト:藤原ヒロユキ

To The Beer Bar~ちょいのみ親父の探訪記~ 第32回「SHIGA BASE:シガベース」(長野・志賀高原スキー場)

 ここ数年、志賀高原スキー場に毎年通っている。
 3月に、「スノーモンキービアライブ」というイベントがあるからだ。

 志賀高原スキー場の「志賀高原総合会館98」に名だたるクラフトビールとミュージシャンが集まり、毎年2日間行われる。
 2018年の場合、3月16日(金)と17日(土)で、ビールは211種類(!)も揃った。なかにはこのイベントで初登場のスペスシャル・ビールも用意されていた。

 ミュージシャン(DJを含め)はFUJI ROCK FESTIVALに出演していたり、アルバムがタワーレコード渋谷店の年間アワードを獲得したり、海外ツアーを行っているグループなどが16組出演し、おおいに盛り上がった。音楽には明るくない私だが、「上手いなぁ、素敵だなぁ、楽しいなぁ」という気分になった。
 2019年は3月15日(金)、16日(土)に開催されるとのことだ。詳しくは公式サイトでご覧いただきたい。

 ちなみに、イベントの名前にもなっているスノーモンキーは、志賀高原スキー場の手前にある地獄谷温泉の猿たちにつけられた愛称である。雪景色の温泉に浸かる姿が世界的に有名になった。
 著名な動物写真家である岩合光昭氏の写真集『スノーモンキー』はそんな猿たちの魅力を伝えてくれる素晴らしい一冊だ。

 毎年志賀高原スキー場に通っている私が思うに、志賀高原スキー場は最高のスキー場であり、ちょっと難のあるスキー場でもある。
 最高の部分はスキー場の壮大さに他ならない。
 総面積は425ヘクタール。これは日本最大級だ。18のスキー場で構成され、51基のリフト・ゴンドラがある。熊の湯・横手山エリアにはシャトルバスで移動する必要があるが、他のほとんどのスキー場間は滑りながら移動できる。
 難の部分は、「ホスピタリティが1970年代から進化していないのではないか?」と感じるところだ。「スノーモンキービアライブ」が無ければ、志賀高原スキー場には行かないかもしれない。

 私は、1980年代から90年代にかけ、スキー雑誌の仕事で欧米のスキー場を数多く取材させてもらった。ヨーロッパはオーストリアのチロル一帯、アメリカはコロラド州のアスペンやスノーマスやヴェイル、カリフォルニア州とネバダ州にまたがるレイクタホやヘブンリー、カナダのウイスラーやブラッコムも滑った。
 その時、「欧米のスキー場は“リゾート”なんだなぁ」と感じた。すべてにおいてホスピタリティの次元が日本とは違っていた。

 その後、日本も多くのスキー場が“リゾート”になっていった。しかし、志賀高原スキー場は1970年代とさほど変わっていないのではないか?
 ゲレンデを繋ぐシャトルバス(本数が少ない。スキーを担いでステップを上がらなくてはならない)、宿泊環境(古いわりには値段が高い)、リフトとゴンドラ(私が大学生だった1970年代に白馬で乗っていた狭くて遅いゴンドラが今もなお使われていたのを見たときは驚きを超えて郷愁さえおぼえた)、ゲレンデのレイアウト(スケーティングして登らなければならない連絡コースがいくつかある)などなど。他にもあるが、もう書かずにおく。

 同じ長野県のスキーリゾート「白馬」や「軽井沢」などと比べるとかなりの差がある。特に飲食施設は少なすぎる。・・・・・・と、嘆いていたのだが、やっと発見した。
 それが「SHIGA BASE」である。

 「SHIGA BASE」は元ロープウェーの発着所だった場所にある。外、オープンエアーなのだ。プラットフォームなのでものすごい開放感がある。視界がドカーンと広がっているのだ。なまじ、壁なんか作らなかったのが素晴らしい。
 もちろん、外なので寒い。だから焚火が燃えている。
 寒さをしのぎたければゴンドラの中で飲むこともできるし、テントもある。雪山でキャンプしているみたいな気分に浸れるのだ。

 雪山を愛でながらいただくのは、志賀高原ビール。ホップの香りが心地よいペールエール、さらにホップの効いたIPA、ロースト感たっぷりのポーターもいいぞ!
 「スノーモンキービアライブ」が無ければ、志賀高原スキー場には行かないかもしれない。なんて言っちゃたが、前言撤回。「SHIGA BASE」があるから、これからも志賀高原スキー場に行こうと思う。

 志賀高原スキー場の「SHIGA BASE」。
 本当に、いい店だ。また訪れたくなる。