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京都タワー内のフードコートで、ビールとつまみのステキなペアリングを発見

文・イラスト:藤原ヒロユキ
文・イラスト:藤原ヒロユキ

To The Beer Bar~ちょいのみ親父の探訪記~ 第34回「京都タワーサンドバル:KYOTO TOWER SANDO バル」(京都)

 京都タワーの展望台から見る京の町並みこそ、最も美しい古都の風景である。
 なぜならば、京都タワーが見えないからだ。
 建設当初、京都タワーはそんな風に揶揄されていた。
 「東寺の塔より高いもんは、京の町には似合いまへん」という方々にはあまりウケが良くなかったと聞いている。

 京都タワーは、京都駅の北側に建っている。徒歩2〜3分といったところだ。地下でも繋がっているので、雨の日でも濡れることなくたどり着ける。
 建築家の山田守氏が、灯台をイメージして設計したと言われているが、和ロウソクのようにも見えるデザインだ。台座となる京都タワービルを含めた高さは131mである。
 京都タワーの写真を取り続けている写真家・寺西達哉氏の『はんなり秋の京都タワー』には245枚もの“京都タワーの写り込んだ写真”が掲載されている。どれも美しい風景である。
 今や京都タワーはすっかり京の町に馴染んでいる気がする。

 京都タワービルには、大浴場やツーリストインフォメーションや京都タワーホテルなどがある。加えて2017年4月には商業施設「京都タワーサンド」が開業した。私が目指すのはこの京都タワーサンドの地下1階にある「フードホール」である。
 この「フードホール」は19店の飲食店が並んだフードコートなのだが、まずは「KYOTO TOWER SANDOバル」に一直線だ。
 なぜならば、ここで京都醸造のビールが飲めるからだ。

 京都醸造は、アメリカ、カナダ、ウェールズとそれぞれ違った国で育ったクリスとポールとベンという3人の外国人が日本で出会い、京都の九条に立ち上げたブルワリーである。
 きっちりとした醸造知識と丁寧な仕事によって醸し出された良質のビールは、「一期一会」や「一意専心」といった”和名”を付けるセンスも手伝って、瞬く間に人気となった。
 2015年には、私が京都府与謝野町で育てているホップを使って「与謝野の挑戦」というビールを造ってくれ、「与謝野ホップ」の名を全国のビールファンに広めてくれた。ありがとう(笑)。

 1杯目は「一期一会」。ベルギー酵母を使ったセゾンスタイルのビールにアメリカン・ホップの香りが加わり、爽やかでドライな口当たりのビールである。
 これに何を合わせるか?
 フードホールは、地下1階の各お店で買ったものをどこで飲み食いしてもいいので、「ぎょうざ処 亮昌」の「焼きぎょうざ」を選んだ。ホップの香りと苦味が、京都産のキャベツと豚肉の旨味と響きあう。

 2杯目は「黒潮の如く」。ダーク・モルトのこうばしさとロースト・バーレーの苦味が効いた漆黒のビールだ。
 これに何を合わせるか?
 「鳥せい」の「肝のしぐれ煮」である。
 この組み合わせ、最近の私の超お気に入りペアリングなのだ。
 しっかりと煮込まれた肝の旨味と醤油の味わいが、ローストされた大麦の力強さとピッタリとはまる。

 京都府北部の丹後地方に位置する与謝野町でホップ作りをしている私は、京都駅を山陰本線と東海道新幹線の乗り換え駅として利用することが多い。
 丹後からの上りの山陰本線は、福知山から亀岡まで山間部や田園地帯を走り続けたあと、保津峡沿いのトンネルをくぐり、京都市内に入る。嵯峨野の竹林、太秦映画村の横をすり抜けると京都タワーが小さく見えてくる。

 私はいつも「この列車は、あの京都タワーの麓にある京都駅まで行くんだなぁ」と感じ、「新幹線に乗り換える前に、烏丸中央口からいったん構外に出て、京都タワーサンドの地下でビールを飲むんだ!」とワクワクするのである。京都タワーは非常にわかりやすいランドマークだ。
 私にとって、京都タワーの建つ町並みこそ、最も京都らしい風景である。

 京都タワーサンドの「フードホール」。
 本当に、いい店が揃っている。また訪れたくなる。