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異国めいたスタイリッシュなビアバーで、気分はすっかりニューヨーカー?

文・イラスト:藤原ヒロユキ

To The Beer Bar~ちょいのみ親父の探訪記~ 第38回「BLUE BOOKS cafe自由が丘」(東京・自由が丘)

 自由が丘。いい名前だ。
 なんせ、“自由”な“丘”なのだから。

 まずもって、自由という言葉がいい。自由を嫌がる人はいない。と、思う。
 不自由より自由がいいに決まっている。

 丘という言葉も心地よい。山や岳や峰となるとちょっとハードな感じになるが、丘だと「サクッと登って行けそう」「頃合いに景色が見下ろせそう」というイメージである。
 ♪丘を越〜えゆこ〜ぉよ、口笛ふきつ〜つ♪と楽しげな雰囲気が漂う。

 自由が丘駅前正面口からみずほ銀行側に歩き、みずほ証券とみずほ信託銀行が向かい合う角を左折する。
 「なんだここはみずほばっかかぁ?」と思うや否や三菱UFJ信託銀行が現れるので、「信託銀行なんて私には縁がないけど、この町には必要なんだなぁ」と思いつつ、その正面を右に折れるとそこは石畳の小径である。
 「アスファルトじゃないところが、小洒落てるなぁ」なんて感心しているとベルギー王室御用達の有名なチョコレート屋があり、「1粒4〜500円かぁ‥‥‥」と呟きながら、脇の階段を下って行くと、私のお目当のビアカフェがある。

 店の名前は「BLUE BOOKS cafe自由が丘」。
 配線がむき出しの天井は高く、シーリングファンがゆっくりと回っている。
 本棚にはカラフルな洋書が並び、壁にはアメリカの古い雑誌の表紙が飾られている。
 店内のテーブルは、脚の短いものもあれば長いものもある。椅子も統一されていないのがいい。さまざまなスタイルで空間を楽しむことができる。
 レンガ作りの柱と壁も日本離れした雰囲気を醸し出している。ニューヨークっぽい‥‥‥のかな? う〜ん、どこだ? シカゴ? ボストン? サンフランシスコ? ポートランド? ま、とにかくどっか外国っぽいのである。多分、きっと、アメリカのね(苦笑)。

 1987年に出版された加藤和彦・安井かずみの共著『ニューヨーク・レストラン狂時代』は、当時の私にとって“憧れが詰まった一冊”だった。
 ニューヨークのレストラン24軒を紹介するだけにとどまらず、時代の最先端を生きる加藤和彦と安井かずみのスタイリッシュな生き方が写真と文章で綴られているのだ。眩しかった。「あー、こーゆーのがアメリカの飲食店なんだなぁ」なんて思いながら心を躍らせていた。

 「BLUE BOOKS cafe自由が丘」のコンセプトは【音楽と本、料理に出会える “大人のための食堂”】だ。
 心地よい音楽が程よい音量で流れ、1000冊もの蔵書を自由に読むことができる。
 フードメニューには、「USリブアイロースステーキ」や「アボカドとチェダーチーズのハンバーガー」といった料理が並んでいる。ほら、やっぱニューヨークっぽいんじゃないの?(笑)
 そして、ビールは「ブルーノート東京ビール“セッション”」。
 ホップの香りが華やかで、苦味やアルコール度数は抑えめのビールである。スムーズな喉通りが楽しめる。

 奥の席を選び、店全体を眺めながらビールを飲んでいると、気分はすっかりニューヨークである。それとも、シカゴかボストンか?
 いやいや、ここは紛れもなく自由が丘である。
 だからこそ、どこの町にだって思いを馳せることができるのだ。
 だって、自由な丘だもんね(笑)。

 自由が丘の「BLUE BOOKS cafe自由が丘」。
 本当に、いい店だ。また訪れたくなる。