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どんな料理にも必ず合うビールが探し出せる 圧巻の品ぞろえ

文・イラスト:藤原ヒロユキ

To The Beer Bar~ちょいのみ親父の探訪記~ 第37回「ベルギービール&ベルギー料理 カフェレンベーク」(名古屋・本山)

 「名古屋に行ったらレンベークに行ってごらんよ」と言われ、初めて訪れたのはいつだっただろうか? レンベークがまだ愛知県蟹江町にあった頃の話なので10年以上前である。

 今、レンベークは名古屋市内の千種区にある。
 地下鉄東山線本山駅から徒歩2分だが、初めてだと、道に迷う人もいるだろう。
 なぜならば、そこは住宅地の一角だからだ。歩いていると、「本当にこの界隈に飲食店があるのだろうか?」と不安に襲われる人も少なからずいるに違いない。聖地は忽然と現れる、といった感じである。

 看板に「Belgian Beer & Slow Food CAFÉ LEMBEEK」とあるように、レンベークはベルギービールの店である。
 ベルギービールに詳しい人なら、レンベークが、ベルギーの小さな村の名前であることに気づくだろう。自然発酵ビール“ランビック”の語源になった場所と言われ、現在もなおランビックの産地として有名だ。

 「レンベーク」には、生半可な気持ちで行くべきではない。
 もし、あなたもしくはその同伴者がベルギービール以外のお酒も飲みたいと思うのなら、足を運ばないほうがいい。
 店主の中村暢秀さんの審美眼にかなったドイツビールや日本のクラフトビールがほんのすこし用意されていることもあるが、基本的にはベルギービールだけである。ワインだのハイボールだの色鮮やかなカクテルなんてのを飲みたい人は扉を開けないほうがいい。お互いの幸せのために。

 レンベークには、随時、8種類の樽生ビールと400種類以上のベルギービールが揃っている。
 「欲しい銘柄は入荷を待つのではなく自ら輸入する」との考えから直接買い付け、輸入後も完璧な温度管理で保管している。
 冷蔵庫には「なんでこれがここにあるの!?」とか「なんだこりゃ? 見たことない」なんてベルギービールが並んでいるのである。
 あなたもしくはその同伴者が、ベルギービールの奥深さを知りたいのであれば、絶対に訪れるべきお店である。

 もちろん、各銘柄のグラスも揃っている。
 ベルギービールは、銘柄ごとにそれぞれ専用グラスが決められている。香りや味わいはグラスの形態によって開花するのだ。
 手前味噌であるが、私が書いた『【イラスト版】ベルギービール入門』には、ビールごとのグラスがカラフルなイラストで紹介されているので、是非ともご覧いただきたい。

 レンベークの魅力は料理にもある。
 どんなビールと合わせていくか考えながら作戦を練っていくのも楽しみのひとつだ。
 まずは、チコリと修道院チーズのベルギーグラタン。ビールは1杯目から、ちょっとアルコール高めでフルーティな淡色系のストロングエールなんてどーだろうか? のっけから飛ばすねぇ、ってか?(笑)

 続いては、自家製ベーコンのステーキあたりに進みたい。ビールは、ベルギー農家の自家製ビールが起源と言われるセゾン。ワイルドな香りに酸味と苦味が程よく調和したビールである。
 デザートのブリュッセル風ワッフルに濃色で香りが豊かなハイアルコールビールを合わせてまったりなんてのが、今日の流れだな。

 ビールには、ワインや日本酒にはない“苦味”や“ロースト風味”がある。もちろん甘味も酸味も備わっている。どんな料理にも、必ず合うビールが探し出せる。
 前出の『【イラスト版】ベルギービール入門』には、ビールと料理をどのように合わせるかのメソッド、それぞれのビールがどんな料理や料理法に合うのか、そしてその料理のレシピの数々がイラストで分かりやすく掲載されている。って、また自分の本の宣伝かよ!(笑)

 名古屋の「ベルギービール&ベルギー料理 カフェレンベーク」。
 本当に、いい店だ。また訪れたくなる。