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朝日新聞「平成の30冊」を発表 ④同点15位の5冊を紹介

  • 15位「新しい中世」(田中明彦)
  • 15位「大・水滸伝シリーズ」(北方謙三)
  • 15位「トランスクリティーク:カントとマルクス」(柄谷行人)
  • 15位「献灯使」(多和田葉子)
  • 15位「中央銀行 セントラルバンカーの経験した39年」(白川方明)

『新しい「中世」』(田中明彦、日本経済新聞社、1996)

 国境が薄れ「新しい中世」へ向かう先進諸国、なお国民国家たらんとする中進国、存亡の危機にあるアフリカなど貧しい国々――。冷戦後の世界の枠組を独自の視点で分析したサントリー学芸賞受賞の名著。(日本経済新聞出版社ウェブサイトより)

・冷戦後の世界をとらえる新しい枠組みを提示し、いまだに古くなっていない。今後の中国、インドなどの台頭を考えるにも役立つ(岩間陽子、政策研究大学院大学教授)

・冷戦後の世界構造を3つの圏域に分かちつつ全体的視座を打ち出す試み(五百旗頭真、兵庫県立大学理事長)

「大・水滸伝シリーズ(『水滸伝』『楊令伝』『岳飛伝』)」(北方謙三、集英社、2000)

 12世紀初頭、中国。腐敗混濁の世を糺すために、豪傑・好漢が「替天行道」の旗のもと、梁山泊に集結する。下級役人の宋江、塾の教師・呉用。禁軍の槍術師範だった林冲。官軍を離脱した秦明、花栄、楊志。出奔し放浪中の僧侶・魯智深。虎と素手で闘った怪力・武松…。一方、宋は最強の軍人・童貫が禁軍を立て直し、迎え撃つ。影で怪しく動く青蓮寺…。志か、権力への執着か。男たちの熱く、終わりなき戦い!(集英社ウェブサイトより)

・「水滸伝」は、超大作の小説「水滸伝」「楊令伝」「岳飛伝」からなる北方謙三「大水滸伝シリーズ」の最初の作品群。中国の歴史と古典作品に取材しつつ、作品の根底には、革命家チェ・ゲバラの生と死に対する共感や、作者自身の青春時代の体験など、熱い思いが脈々と波打っており、それが作品全体に独特の品格と英気を与えている。質・量ともに平成時代の文芸作品の最高峰の一つ(加藤徹、明治大学教授)

・書きも書いたり、の全51巻。シリーズ終結まで疾りぬいた作家の気骨に敬意を表して(吉田伸子、書評家)

『トランスクリティーク:カントとマルクス』(柄谷行人、批評空間、2001)

 カントによってマルクスを読み、マルクスによってカントを読む。社会主義の倫理的根源を明らかにし、来るべき社会への実践を構想する本書は、絶えざる「移動」による視差の獲得とそこからなされる批評作業(トランスクリティーク)の見事な実践であり、各界に大きな衝撃を与えた。(岩波書店ウェブサイトより)

・平成の30年を代表する思想書といえばこれ。世界に対する日本の思想的貢献である(宇野重規、東京大学教授)

・カントとマルクスのきわめて独創的な読解によって、柄谷行人の哲学の基礎を築いた著作。思考の運動そのものを感じることができて、まことに魅力的(大澤真幸、社会学者)

『献灯使』(多和田葉子、講談社、2014)

 大災厄に見舞われた後、外来語も自動車もインターネットも無くなった鎖国状態の日本で、死を奪われた世代の老人義郎には、体が弱く美しい曾孫、無名をめぐる心配事が尽きない。やがて少年となった無名は「献灯使」として海外へ旅立つ運命に……。(講談社ウェブサイトより)

・平成最大最悪の欺瞞のひとつである3.11震災後の原発事故や、特定秘密保護法の成立や、うわべだけのポリティカル・コレクトネスや、あらゆる弱者いじめを、笑いと涙でつづる、ニッポン・へーセイ・ディストピア小説の決定版(鴻巣友季子、翻訳家・文芸評論家)

・全米図書賞も受賞した、海外で最も評価の高い日本文学の一つ。言葉の詩的な探究と政治的な批判がきちんと噛みあっている(都甲幸治、早稲田大学教授)

『中央銀行 セントラルバンカーの経験した39年』(白川方明、東洋経済新報社、2018)

 前総裁が退任後初めて日銀時代の39年を振り返る。物価と金融システムの安定のために中央銀行が果たすべき役割を多面的に論じる。(東洋経済新報社ウェブサイトより)

・平成の最後を飾る一冊。バブル期、失われた20年の日本の何が根本問題かを理論的基盤の上に説いている。自身の日銀総裁としての反省も踏まえつつ、淡々、冷静かつ鋭い文章は経済学を学んだことのない者にも響いてくる。次の時代を考える好著である(江上剛、作家)

・バブル崩壊後における金融政策の試行錯誤を振り返る好著。本書を読めばいかに平成末期の日銀が歴史に学ばずに暴走しているかが理解できる(高橋伸彰、立命館大学教授)

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