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新書ピックアップ(朝日新聞2019年3月16日掲載)

『大統領とハリウッド』 

 アメリカでは映画と政治の関係は深い。歴代大統領が、ときに英雄あるいは悪の帝王として描かれ、差別や戦争など広範なテーマが扱われ、セレブが自身の主張を明言する。現在の映画界は多様性とグローバリズムでトランプ政治に対抗するが、複雑な現実を単純な勧善懲悪のストーリーに仕立てる手法はメジャー映画とも共通する。一筋縄ではくくれない、権力と文化の相互作用の歴史をたどる。
★村田晃嗣著 中公新書・929円

『その情報はどこから?』

 副題は「ネット時代の情報選別力」。事実と噓(うそ)が入り交じる情報の海に溺れぬように情報社会を生きるための知恵とは――。弁護士ドットコムニュースの記者が、情報のソース(一次情報源)を知ることの大切さ、社会に影響を与えるフェイクニュースの事例を紹介。何か情報を得たいと思ったときにはネットで検索するだけでなく、図書館で司書に聞いたり、オンラインで利用できるデータベースで調べたりすることをすすめる。
★猪谷千香著 ちくまプリマー新書・799円

『ヒトはなぜ、ゴキブリを嫌うのか?』

 高度な脳をもち、現代社会をつくってきた人間。だが、それは、自然との間に軋轢(あつれき)や齟齬(そご)を生み、人間の身体に無理を強いるものでもある。解剖学的見地から、自然と人間のバランス、現代社会の問題を説いた2001年刊の『脳と自然と日本』に加筆修正、大幅に改訂した。
★養老孟司著 扶桑社新書・961円

『重ね地図で愉(たの)しむ江戸東京「高低差」の秘密』

 東京の昔の姿がわかる「土地条件図」と「地質図」を参考に、土地の起伏から東京の歴史を感じとるオールカラーの街歩きガイドブック。高低差の象徴といえば「崖」。崖際の土地は歴史の中で大事な役回りを果たしてきたという。崖際の高台には古墳や神社や城跡があったり、崖下の土地には不動明王や弁天が祀(まつ)られた祠(ほこら)がみられたり。写真も多数収録。
★竹内正浩著 宝島社新書・1188円