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本への思い、こども同士で伝え合う ポプラ社が「POPコンテスト」開催

POPコンテストに寄せられた小中高生の力作がズラリと並ぶ

 今回の「POPコンテスト」開催の背景には、子供たちの読書活動を応援したいという思いがある。

「POPは本への思いを表現したものです。本と出会い、選書を楽しむ図書室で、POPを通じた『思いのリレー』を広げていきたいと願っています。子供たちにはその『思いのリレー』を経験し、本との出会いをより広げていってほしい。そこで、読書推進活動に加え、学校図書館サポート事業の一つとして、このコンテストを開催しました」(コンテスト事務局)

 開催にあたっては、「POP王」として知られる三省堂書店の内田剛さんの協力を得た。内田さんは今までに5000枚以上のPOPを制作し、多くのベストセラーを生みだしてきたPOPのプロだ。10年ほど前から、中学校でのPOP制作の授業を担当し、子供向けのワークショップも開催している。

「POP王」として知られる三省堂書店の内田剛さん。本屋大賞創設メンバーでもある。著書に『POP王の本』(新風舎)など
「POP王」として知られる三省堂書店の内田剛さん。本屋大賞創設メンバーでもある。著書に『POP王の本』(新風舎)など

 コンテストの最終選考では、10部門・各4点、計40点の受賞作を決定する。内田さんが選ぶのはPOP王賞だ。
「どれも力作ぞろいで、甲乙つけがたいですね。“あ~、読みたくなる”と感じる、良いPOPも多数あります。POP作りで大切なのは、本の良さを伝えているかどうかです。自分の言葉で心が伝わる作品、友達を巻き込む力があるものを選んでいきます」

 悩んだ結果、ポイントのとらえ方が的確、と選んだのが『学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話』『「私が笑ったら、死にますから」と、水品さんは言ったんだ。』などの4点。
「『ビリギャル』の“あるきっかけで人生は変わる”というキャッチコピーに説得力があります。『私が笑ったら』の“15分で1万円のバイト”というキャッチコピーも人目を引きます。人の興味・関心を一瞬で引きつけることが良いPOPの条件です。どのPOPも本への愛を感じます」

 ほかにも、わかりやすく読みやすく、デザインに工夫がある作品として『ロボットカミイ』のPOPを選んだコンテスト事務局賞や、ポプラ社社長の長谷川均さんが選ぶポプラ社賞、本への愛情が伝わるPOP賞、本の魅力が伝わるPOP賞、インパクト賞、キャッチコピー賞、イラスト賞、おもしろPOP賞、アイデアPOP賞など受賞は多岐にわたった。

 選考を終えた長谷川社長はこう話す。
「POPは、本の楽しさを子ども同士で伝え合うことに魅力があります。楽しいことにあふれたこの世の中ですが、本当に楽しいものには適切な負荷があります。本を読む楽しさを広げるためにも、今後もこのコンテストを開催していきたいと考えています」

 コンテストの詳しい情報は、『ポプラ社2018全国学校図書館POPコンテスト』特設サイトで紹介している。

特設サイト