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新書ピックアップ(朝日新聞2019年4月6日掲載)

激しく考え、やさしく語る』 

 1931年に米国駐在の僧侶の子に生まれ、開戦前に帰国して東京から花巻に疎開。敗戦後に夢中になった服部之総の『親鸞ノート』、文学体験としてのマルクス主義など、宗教学者が精神の軌跡をたどる。新聞連載「私の履歴書」と補完するインタビュー。
★山折哲雄著 日経プレミアシリーズ・961円

『観光亡国論』

 「観光公害」に直面している日本の観光地。大勢の客の受け入れを前提にした「大型観光」の問題点、景観にダメージを与える工事、文化の“稚拙化”などを東洋文化研究者とジャーナリストが指摘する。適切なマネジメントとコントロールで問題解決した具体例も紹介。
アレックス・カー、清野由美著 中公新書ラクレ・886

『知っておきたい入管法』

 副題は「増える外国人と共生できるか」。コンビニ外国人、増え続ける外国人観光客、人手不足分野の仕事、国際結婚などについて法制度的な視点から解説する。著者は、法務省の難民審査参与員として難民認定申請をした外国人にインタビューした経験を持つ。今回の入管法改正の内容も。
浅川晃広著 平凡社新書・929

『韓(から)めし政治学』

 飲食は人と人を結ぶ絆。米韓首脳会談の晩餐(ばんさん)会で出されたメニューの“政治性”や、韓国でも「独り飯」が増えているが、大統領の「独り飯」は失脚の原因にもなったのではないか、など在韓40年の日本人記者が「食と政治」に注目して韓国を読み解く。
黒田勝弘著 角川新書・929

『平成の通信簿』

 副題は「106のデータでみる30年」。世界の上場企業の株式時価総額ランキングの上位30をみると、1989年には過半数を占めていた日本企業は、2018年にはゼロ。世界の人口増加率は急激に減速、世界的な海外旅行ブームだが日本人の海外旅行は横ばい、日本人の平均寿命は約5歳延びた。具体的なデータで平成を振り返る。
吉野太喜著 文春新書・1058