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「鯉のぼり図鑑」 あなたの家は関東系? 関西系?

4月に入り、デパートなどで五月人形や鯉のぼりを見かける季節になりました。そこで今回は、端午の節句に思いを馳せるべく、「鯉のぼり図鑑」を紹介します。

 本書は「日本鯉のぼり協会」設立50周年を機に2018年に刊行されたもの。鯉のぼりの歴史にはじまり、各時代を代表する鯉のぼりのデザイン、鯉のぼりの製作工程など、鯉のぼり文化が一冊にまとめられています。

 鯉のぼりの原点は「幟(のぼり)」。江戸初期、端午の節句に男の子の健やかな成長を願って、玄関先などに幟や旗指物を飾っていたそう。中国に伝わる「登龍門伝説」にちなみ、鯉の滝登りを幟に描いたものがルーツであり、それを立体化して「鯉のぼり」となったといいます。

 個人的な発見は、鯉のぼりのデザインが関東系と関西系の2つに大きく分けられるということ。関東系は黄色系の地に極彩色を施した華やかなデザイン、関西系は白地に単色の濃淡で描いたシンプルで上品なデザインなんだとか。たまに真鯉の背中に金太郎が乗っているものを見かけますが、これは関西で多く作られてきたものだそう。ちなみに、東なのか西なのか迷う静岡県では、両方のデザインの鯉のぼりが作られていたといいます。

 日本各地で開催される鯉のぼり祭りも紹介されているので、5月の連休は大空をのびのびと泳ぐ鯉のぼりを愛でに足を運んでみてはいかがでしょうか?