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BLラバーの書店員が厳選!旅気分や異国情緒が味わえる「旅するBL」作品3選

イタリア男×スーツ×眼鏡のトリプルコンボ!(井上將利)

 いよいよGWが迫ってきました!休み明けの社会復帰が危ぶまれる一方で、今年は10連休を利用して海外旅行に行かれる方も多いのでしょうかね~?

 そこで今回は一足先に旅行気分に!という事で「旅するBL」をテーマに海外を舞台にした作品をご紹介します。

 私が選んだ作品は「クマとインテリ」(茜新社)。実は、著者であるbassoさんは「リストランテ・パラディーゾ」「ACCA13区監察課」等の人気作で知られるオノ・ナツメさんです!(BL作品を描く際にはbasso名義で刊行されています)

 イタリアのお洒落な街を舞台に政治家のファウスト・カッラーロや政敵、高級レストランの給仕、パパラッチ、秘書などなど、其々の登場人物の関わり合いが短編集として収録された本作。

 もちろん“オノ・ナツメ”ワールドは全開で、独特のキャラクターデザインや景色・背景描写から魅せるストーリー演出などなど、ファンおなじみの作風が見どころの一つ。登場人物の心理描写をセリフだけでなく表情や視線の微妙な変化で描くストーリー展開をきっと楽しんで頂けるはずです!

©basso/茜新社
©basso/茜新社

 そして最大の見どころは本作のテーマでもある「イタリア男、スーツ、眼鏡」。三種の神器みたいな響きですが、事実、スーツに身を包めば着崩してもカッコいいし、眼鏡をかけたら老眼鏡だろうが知的に。これでもかと魅力的なイタリア男達が登場するわけです。

 特にファウスト・カッラーロのような“おじ様”に至っては何をしても、どんな表情でもイケてるし、危ない色気がダダ漏れなので要注意(笑)。

 本作だからこそ出会える男達、“おじ様×スーツ×眼鏡”の「混ぜるな危険」を贅沢に味わえるお話が沢山詰まっていますので、この作品が皆様にとっても素敵な旅になれば幸いです!

異世界で繰り広げられるイケメン王子とのファンタジーライフ(キヅイタラ・フダンシー)

 やっと外に出たくなる季節になってきましたね。でも旅行は人も多いしお金も掛かる……そんなときはBLマンガで旅気分を味わっちゃいましょう♪自宅でじっくり楽しめる、今回のおすすめ作品はこちら!

 直野儚羅(なおの・ぼうら)さん「TRIP LOVERS(トリップ ラヴァーズ)」(竹書房)

 主人公・安田ユタカがいるのは……なんと異世界! 遠出し過ぎちゃいました(笑)。5年前に運悪く(?)異世界に迷い込んでしまったユタカは、なんとかこの地で生き延び、日本で働いていたスキルを活かして巷で人気のお好み焼き屋を営んでいます。異世界でも受け入れられる“オコノミ”(お好み焼き)、偉大です(笑)。

 そんなユタカが暮らす異世界では、独特な文化があります。男女関係なく求婚ができ、男は求婚相手に戦いを挑み勝つことで、女は相手の髪の毛を切り落とすことで、婚約が成立するというのです。日本人では普通の黒髪もこの世界ではとても目立ち、ユタカは数多くの求婚を受けることに……。

 ある日も貴族から戦いを挑まれたユタカ。渋々応じようとしたところに、店の常連客である美形の渡り剣士・メルが現れ、戦いを肩代わりしてくれることに。あっという間に勝ってしまったメルですが、実はなかなかの策略家。肩代わりしてもらった戦いでは、その勝者と婚約という掟があったのです! しかも実はメルは第5王子。“超高級物件”と結婚することになった、ユタカのファンタジーライフの行く末は……!?

©直野儚羅/竹書房2016
©直野儚羅/竹書房2016

 旅先で出会ったイケメンのお嫁さんになっちゃう。これもまた旅の一興ですね(笑)。なんだかんだでメルのキラキラオーラに流され絆されてしまうユタカの新婚生活は、トラブルもありつつも超ラブラブ☆ メルの切れ長な目に熱く見つめられたらオチちゃうのも仕方ないですね!(笑)。相手が王子であるという苦難を乗り越えながら、愛を育んでいく2人を見ているだけでもほっこりしちゃいます。かなり熱量高めのセクシーなシーンもたっぷり入っているのもオススメポイント! しかも美形攻め! 表情がとっても色っぽいので見応え抜群ですよ♪

 そのまま平和なイチャラブで終わるかと思いきや、旅に終わりはつきもの……。愛情MAXのタイミングでまさかの事件が! 2人の恋の旅路の行く末がどうなるのか、ぜひお手に取って確かめてください。ライトに読めつつも、キュンを超えるあったかい気持ちになれる作品でした。

きらびやかなロココの世界!アラサー貴族の麗しき純情物語(貴腐人)

 今回は、ロココの華やかなりし芳しさが漂う、安曇もかさんの「ロマンセ 愛しく冷たい君」(リブレ)をご紹介します。

 舞台は18世紀フランス。名門貴族の出自、美貌、教養……。どれをとってもパーフェクトなアントワーヌは、「麗しのアントワーヌ」という二つ名までいただく社交界のアイドル。男女ともにモテまくるアントワーヌは30歳近くなるのに身を固めない。秘めたる想いを抱えるアントワーヌの想い人は……。

 「麗しのアントワーヌ」、本当に麗しいんです。そして純情なんです。30歳になろうというフランス貴族が甥のジョルジュに一途に想いを寄せているため、あの時代の不道徳な風習に染まっていない! 奇跡のツンデレ貴公子です。

 ジョルジュへの苦しく熱い想いが切々と描かれているし、ジョルジュもまんざらではなさそうな雰囲気だったので、ジョルジュとくっつくかと思いきや、幼馴染みで画家のジュールとくっついた!(顎が外れんばかりにびっくりしたことを思い出しました)

©Moka Azumi/libre 2008
©Moka Azumi/libre 2008

 最初はジュールが強引に襲っちゃいましたが、根が真面目で思いつめるタイプのアントワーヌ。どんどんジュールに気持ちが傾いていく自分を認められず、友人たちとの「イケナイ遊び」にのってはみたものの、ジュール以外の男は受け付けないことがきっぱりはっきりとわかります。

 しかし「麗しのアントワーヌ」。男女ともに(とくに殿方)アントワーヌを放っておくはずもなく、次から次へと恋のトラブルが付きまといます。ジュールはそんなアントワーヌにやきもきしながらも、くっつきます。一見束縛が激しそうだけど、幼いころからアントワーヌを想い続け、懐が深いイイ男です。

 ちなみに私はアントワーヌとジュールの関係を見ていると、「ベルサイユのばら」のオスカル様とアンドレを思い出しちゃいます。大貴族の末っ子(男女の違いはあれど)と平民で黒髪の幼馴染み(平民でもジュールはかなり裕福な家の子ですが)で、どちらも黒髪くんが襲っちゃうし、末っ子くんはモテモテだし。昔からこのシチュエーションがツボだったみたいです。

 行きつ戻りつを繰り返す二人の関係ですが、安曇もかさんの作画の華麗さから時代物の映画を見ている気分になります。レースにフリル、フランソワーズドレスにルダンゴト。装飾、内装などロココ調が大好きな方には見どころがいっぱいで、タイトルどおりロマンに溢れております。