1. HOME
  2. コラム
  3. あの小説をたべたい
  4. よしもとばなな『海のふた』の氷みかんを動画で味わう

よしもとばなな『海のふた』の氷みかんを動画で味わう

「氷みかん」を食べる よしもとばなな『海のふた』

 「あの小説をたべたい」は、好書好日編集部が小説に登場するごはんやおやつを料理し、食べることで、その物語のエッセンスを取り込み、小説の世界観を皆さんと共有する記録です。

 今回は、よしもとばなな『海のふた』の世界へ。

 舞台は西伊豆の海辺の町。短大を卒業した主人公・まりは、とあるかき氷との出会いで、故郷への想いや自分が本当にやりたいことに気づき、ふるさとでかき氷屋を始めます。そんな中、母親が親友の娘「はじめちゃん」をひと夏あずかると言い出し、かき氷屋を手伝ってもらうことに。そんな2人の女の子が過ごした夏の日々を描いた物語です。 

「氷みかん」を食べる

 親に内緒で一日三杯ものかき氷を食べたり、大学生になるとマイかき氷機で冬でもかき氷を食べたりするほど、小さい頃からかき氷が異常に好きなまり。

私は昔からかき氷の上にかかっているどぎついシロップに疑問を持っていた。一日何杯も食べるには、あの甘さは行きすぎているのだ。

 そんな考えから、まりのかき氷屋さんのメニューは、きび砂糖のシロップだけをかけただけの「氷すい」と、地元の特産品であるみかんの濃縮ジュースを加えた「氷みかん」、かき氷屋をやるきっかけとなった店への敬意を込めて南の島から取り寄せたジュースを使った「氷パッションフルーツ」、抹茶とあずきの「氷宇治金時」のみというラインナップです。

 今回はその中から、舞台となる西伊豆らしい「氷みかん」を作ってみました。

 手動のレトロなかき氷機で氷をシャリシャリ削っていきます。なかなか力のいる作業ですが、氷が削れていく様は見ていて楽しいものです。

 ほどよい高さの氷の山ができたら、みかん缶と濃縮還元ジュースを使った手作りの簡単シロップをたっぷり回しかけます。缶詰のみかんを2つ、3つのせて、ミントをトッピングすれば、完成です。

 ひと口ふくめば、みかんのほどよい甘さと氷のひんやり感が口の中に広がります。まりのように何杯も、というわけにはいきませんが、猛暑に涼をとるにはピッタリの一品です。