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【検定百景#1】太宰治検定:ダザイストになって、生誕地の青森を盛り上げよう

(正解は記事の最後で!)

 『走れメロス』をはじめ、教科書でもおなじみの文豪、太宰治。彼の名を冠した「太宰治検定」は、2009年にはじまりました。2017年までは6月に青森県五所川原市と東京都三鷹市で開催されていましたが、2018年からは会場での受験はなくなり、コンビニの手続きによって、自宅で受験が可能になりました。

 「開催するきっかけとしては、もちろん太宰治の作品をより多くの人に読んでいただきたいという思いもありますが、太宰のふるさとである青森県の金木、五所川原、津軽といった地域を活性化させたいという思いもまたありました」と語るのは、太宰治検定の実行委員長であり、太宰の叔母・キヱを曾祖母にもつ津島克正さん(54)。同県にある津島さんの自宅にはもともと、敷地内に疎開中の太宰が寝泊まりした土蔵が保存されていました。しかし、土地区画整理事業によって解体することに。なんとか保存して街おこしに活用できないかと仲間たちから声が上がりました。そして思いついたのが、区画整理後に土蔵を再建して、「太宰治『思ひで』の蔵」を造ること。そのためにも多くの人に太宰を知ってもらい、かつ現地の観光を活性化させる目的で、太宰治検定はスタートしたのでした。

  それから10年。受験者は高校生から80代まで幅広く、検定を通して「ダザイスト」たちがつながりを持つことも少なくないといいます。三鷹市との民間交流も、より活発になっていきました。

 検定は「明るく楽しい太宰」という新しい太宰観を広めようと中期の作品にスポットを当てています。小説『津軽』を題材にした内容と太宰治の生誕地である金木、五所川原、津軽の関連施設に関する問題を出題する「津軽編」(初級・上級)、小説『富嶽百景』を中心に、その時代に発表した作品(またはその舞台など)やゆかりのある町、関わった人々、プライベートなどから出題する「富嶽百景編」、戦時中の作品とは思えないユーモアたっぷりの「お伽草紙編」の4つがあります。太宰好きなら、腕試しにいかがですか?

例題にチャレンジ!

【問題1(津軽編)】
「津軽」の中でもたびたび引用され、「黄昏のころ私は叔母と並んで門口に立っていた。叔母は誰かをおんぶしているらしく、ねんねこを着て居た。」の書き出しではじまる初期の小説の題名は?

  1. 黄金風景
  2. 思い出
  3. 魚服記

【問題2(富嶽百景編)】
のちに太宰の妻となる石原美知子とのお見合いの様子が「富嶽百景」に描かれています。その場面で「あの富士はありがたかった。」とありますが、「あの富士」とは?

  1. 写真の富士
  2. 縁側から見えた富士
  3. トイレの窓から見えた富士

【正解】タイトル問題=3、問題1=2、問題2=1