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「アフリカを見る アフリカから見る」など、今週注目の新書5選(朝日新聞2019年10月19日掲載)

『アフリカを見る アフリカから見る』

 かつての「援助される貧しいアフリカ」が、今や「投資対象地」として注目されている。新規ビジネスが誕生し、経済発展を遂げるほか政治の舞台としても注目。第二部「アフリカに潜む日本の国益とチャンス」では、篠田英朗・東京外大教授と著者の対談を収録した。
★白戸圭一著 ちくま新書・902円

『短篇小説講義 増補版』

 1990年に初版発行。短篇小説の創作にはどんな形式や技法があるのか、ディケンズやトーマス・マン、モームなどの名作から解説。読者を引き込む語り口の効果や描写を紹介。増補版では最終章で自作の「繁栄の昭和」を取り上げ、書き出しや構成、反復の効果を解説。
★筒井康隆著 岩波新書・858円

『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』

 東京都千代田区立麹町中学を改革する校長がまとめた親向けの子育て論。宿題や定期テスト廃止、頭髪・服装の校則を撤廃、固定担任制廃止に取り組む一方、自己申告で再チャレンジできる単元テストなどを実施。主体性を生かし自律を助ける工夫が満載。
★工藤勇一著 SB新書・913円

『保護者のための いじめ解決の教科書』

 著者は探偵で、いじめ対策のNPO法人の代表理事でもあり、これまで6千件のいじめ相談を受けてきた。学校からモンスターペアレント認定されない方法やいじめの兆候の発見などを実践的に指南。警察や弁護士、探偵との連携の仕方もアドバイスする。
★阿部泰尚著 集英社新書・858円

『ジャパニーズハロウィンの謎』

 副題は「若者はなぜ渋谷だけで馬鹿騒ぎするのか?」。大イベントの渋谷、地域密着型の川崎、コスプレイヤーの集う池袋、SNS上の「地味ハロウィン」。ゼミの13人が現地調査やインタビューをもとに過熱ぶりを消費者行動論で解明した。
★松井剛編・一橋大学商学部松井ゼミ15期生著 星海社新書・1078円=朝日新聞2019年10月19日掲載