1. HOME
  2. コラム
  3. 売れてる本
  4. 「自衛隊防災BOOK」 万一の時、自分で命を守る技

「自衛隊防災BOOK」 万一の時、自分で命を守る技

 「一家に一冊 備えあれば、憂いなし!」。敬礼する自衛官の写真にそんなフレーズが添えてあったら、手に取らずにはいられません。「自衛隊防災BOOK」には危機管理のプロ直伝のテクニックが100個も収録されていて、万一の時に命を救ってもらえる可能性が大。第2弾の、大雨や地震、強風など災害別テクニックを収録した本も売れています。女性の場合、身近な男性が草食系で頼りない場合でも、この本があれば安心です。

 そのテクニックは広範囲にわたり、地震大国日本なので、まずは地震に備える方法から。「自衛官の自宅には消火器が複数ある」「自衛官の自宅ではお風呂の水を空にしない」などの「自衛官あるある」はさすがの意識の高さで、刺激されます。災害時に役立つ技・ライフハックは「シャツを浮(う)き輪(わ)代わりにする方法」「手ぬぐいで止血する方法」「湧き水が飲めるかどうかの確認方法」「泥沼から抜け出す方法」「雪崩に巻き込まれたときに生存率を上げる方法」など、起こりそうなものからめったにないシチュエーションまで収録。「もし泥沼にハマったら……」「雪崩に巻き込まれたらどうしよう」と自分に置き換えて想像し、スリル感も得られます。「静電気のビリビリを防ぐ方法」は「地面に両手をつける」、「靴の消臭」には「10円玉をINする」といった日常で使えるテクニックも豊富です。「足のまめをつぶす方法」なんてワイルドな対処法もあり、多少のかすり傷はものともしない自衛官の姿が浮かびます。「いざというときの自衛官の料理」は、「かんぱんチョコサンド」というギャップに萌(も)えました。

 非常時に備え、まずは基礎体力を鍛えるべきだということで、「ほふく前進の基本」(試しにやってみたら肘〈ひじ〉を痛めました)や、「自衛隊体操」も収録。
 災害が多い日本、この本がヒットしているのは、結局頼れるのは自分自身と思っている人が結構多いからということでしょうか。

    ◇
 マガジンハウス・1320円=16刷30万部。18年8月刊行。第2弾『自衛隊防災BOOK2』は2刷3万部(今年10月刊)。30~40代を中心に読まれている。女性読者がやや多め。