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青崎有吾さんが小学生のころから食べ続けているグミ 読書の友に〈やわらか&甘い〉刺激

 私の体はグミでできている。たぶん。半分くらいは。

 とにかくグミが大好きで、小学生のころからほぼ毎日食べている。読書中につまみやすく手も汚れにくいというのがグミ好きになった理由だが、もしかすると逆で、グミが活かせる趣味を探した結果読書好きになっただけかもしれない。新商品チェックも欠かさない。2003年以降、コンビニで販売されたグミは全種類食べているといっても過言ではない(近年過言になりつつあるが、理由は後述)。

 といっても、すべてのグミを平等に愛しているわけではない。けっこう好みにうるさいほうだ。国内のグミは主に〈ハード/やわらか〉と〈すっぱい/甘い〉の縦横二軸によってマトリクス化できるが、私は断然〈やわらか&甘い〉区画のファン。売れ筋でいえば「果汁グミ」「ポイフル」「ピュアラルグミ」「コロロ」などが好きである。真逆の〈ハード&すっぱい〉区画に属する「GOCHIグミ」、「SOURS」、「ピュレグミ」などはあまり好きじゃなく、レギュラー落ちといった感じ。昔「シゲキックス」を飽きるほど食べたせいかも。まあ要は子ども舌なんですね。

 グミ界の生存競争はサバンナ以上に過酷である。お気に入りに巡り合っても、売上が伸びなかったり期間限定だったりして、すぐ店頭から消えてしまうこともしばしば。思い出深いのは2006年ごろ売られていた「生グミみかん」。弾力・食感・味どれも完璧で、ものすごくおいしかった記憶がある。2010年ごろ売られていた「JELLY」(商品名うろ覚え)は小粒の寒天ゼリーに近い商品。ねっとりした甘みと手軽に味わえる高級感が好きだった。

 さてそんなグミ好きの私であるが、実は近年、グミ消費量がめっきり落ちてしまっている。ある怪物の登場によって。

 怪物の名は「森永大粒ラムネ」という。

 巷でも話題なので存知の方も多いだろう。森永ラムネをちょっと大粒にしてパウチパッケージに詰めた、というだけのどシンプルな商品だが、これがおそるべき中毒性を秘めており、一度食べ始めるともうやめられない、止まらない。グミを買いに行っても気づけば大粒ラムネをカゴに入れてしまっており、ラムネ界からの意外な刺客、生まれ変わった古豪がマイグミライフを切迫しつつある現状である。

 この大粒ラムネのヒットに乗じ、他の駄菓子もラムネ化・パウチパッケージ化に動きだしているようだ。マルカワのフーセンガムまでパウチパッケージ化したのにはちょっと首をひねってしまうが、アサヒの「カルピスラムネ」「三ツ矢サイダータブレット」などはかなりいい線いっていると思う。グミ界からもポイフルが「大粒ポイフル」として参戦するなど、戦国時代の様相を呈してきている。今後もグミから目が離せない。