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「6月病」にならないために、脱力のオススメ本6選~好書好日掲載記事から~

ハワンさん「あやうく一生懸命生きるところだった」

 「努力は、必ず報われるわけじゃない」「これ以上、負けたくないから、一生懸命をやめよう」。こんなふうに説くエッセイが、韓国で25万部を超えるベストセラーになっています。著者のハワンさんは40歳、フリーランスのイラストレーター。ある日、一生懸命生きることにむなしさを覚え、「一生懸命生きなければ、人生どう変わるのか、実験してみた」。その過程をまとめた本で、東方神起のユンホさんが読んだことでも話題になりました。

>「あやうく一生懸命生きるところだった」ハワンさんインタビュー 韓国で25万部、東方神起メンバーも読んだ「努力しないススメ」

村上春樹の『風の歌を聴け』の一場面を例に、波に漂っていようが必死に泳ごうが、無人島にたどり着けば結果は同じと説く。(c)HAWAN

phaさん「がんばらない練習」

 学校の休み時間にはひとり机に突っ伏し、「勉強熱心にならざるを得なかった」結果、京都大学に進学したphaさん。学生寮でぬくぬくと(2年ほど多く)過ごした後、卒業して就職した先でバンコクに転勤し、働くことの価値観が変わったと語ります。

「日本的に、毎日ちゃんと働く感じじゃなくても良いかな」。昼間からその辺で昼寝しているオッサンを見て、「これはこれで良いんだ」って。それまでは、「ちゃんと働けるように(周囲に)合わせなきゃ」とか、「なんで自分はできないんだろう」とか、「頑張んなきゃ」とか思っていたんですけど、それは単なる日本のローカルルールに過ぎない、と。「べつにそうじゃない生き方があっても良いんだ」と思いました。
※インタビューから一部抜粋

 著書『がんばらない練習』は、ネガティブなオーラに満ちた文章が「これでもか」というくらい畳みかけてきます。それなのに読むとなぜだか心が軽くなり、日ごろの悩みさえバカらしく思えてきてしまいます。

>「頑張らなきゃ」は日本のローカルルールに過ぎない 「京大卒・元ニート」のブロガー・phaさんの生き方

>【書評】「がんばらない練習」 「だめな自分」を受け入れること

つづ井さん「裸一貫!つづ井さん」

 自らを「一介のオタク」と称するつづ井さんが、友人たちとの日常をコミカルに描く絵日記。「なにを愛でていいかわからず自分のお尻のお世話をし始める」(お尻はマックスツルツルに!)など、愉快なエピソードが満載。「腐女子」「オタク」「アラサー」「自虐」をネタにしない、一人の女性のありのままの生き方(裸一貫)に元気がもらえる一冊です。

>「自分の手の届く範囲で自分を楽しませていこう」 『裸一貫!つづ井さん』のつづ井さんが真面目に語る

『裸一貫!つづ井さん』(文藝春秋)より

usaoさん「なんでもない絵日記」

 小学校の教員として働きながら、Twitterを中心に漫画作品を発表しているusaoさん。『なんでもない絵日記』は誰かのためではなく、夫のK氏や子どもたちとの日々、自分の心の成長をただただ描いた3年間の記録です。「かけられた言葉や子どもたちの表情、うれしかったこと、つらかったこと……毎日生活する中で色々なことを感じます。その一瞬一瞬を忘れたくないと思った」と話します。

>usaoさん「なんでもない絵日記」インタビュー 自分の心の成長をただただ描いて3年

『なんでもない絵日記』(扶桑社)より

ふしみみさをさんの翻訳絵本「うんちっち」

 ただひとつの言葉しか言わなくなってしまったうさぎの子、シモン。その言葉とは「うんちっち」。ご飯を食べても、お風呂に入っても変わらず「うんちっち」。あっけらかんと笑える絵本を翻訳したのは、自らフランスまで著者に会いに行き、日本での出版に漕ぎつけたという伏見操さん。「気持ちが鬱々としているときは、笑うのが一番いいと思うんです。悲しいときも、なぐさめられるより、笑い合える方がいい」

>ふしみみさをさんの翻訳絵本「うんちっち」 下品と敬遠しないで。大人も子どもも心の底から笑える日常を

壇蜜さん「結婚してみることにした。」

 プールで泳ぎ、大好きなサウナで漫画を読み、38歳の初仕事ではルンバを踊る。そして不意に現れる節目の日も、あっさりと。お風呂に入るとき、防水のタブレットにしたためた日記をまとめた一冊。日曜日は一言、二言だけ。「クリスチャン系の学校に通っていたからでしょうか、日曜はお休み」

>壇蜜さん「結婚してみることにした。」インタビュー 「枯れた」文でテンポよく

壇蜜さん=文芸春秋提供