日本推理作家協会賞が発表され、長編および連作短編集部門に呉勝浩さんの『スワン』（ＫＡＤＯＫＡＷＡ）が選ばれた。ショッピングモールでの銃乱射事件というショッキングな光景からはじまる同作は、直木賞候補にも挙がり、吉川英治文学新人賞とのダブル受賞となった。
呉さんは受賞会見で「推理小説が好きで物書きになろうと決めた。先輩から一つ太鼓判を頂き、これまでやってきたことが報われた」と話した。２０１５年に江戸川乱歩賞を受賞、デビューした。事件を描きつつ、人間の情念を浮き彫りにする作風だ。「僕は謎をきれいに解いてびっくりさせることは得意ではない。社会性を取り入れていくのか、人間性を書いていくのか。僕なりの推理小説を書いていくと思う」（興野優平）＝朝日新聞2020年7月22日掲載
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