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双葉文庫「1日10分」シリーズ、タイトル変えて大ヒット 短編小説アンソロジー

 小川洋子や角田光代、重松清らの短編を収録する双葉文庫の「1日10分」シリーズが3冊で34万部と好調だ。実は最初から売れたわけではない。

 『NHK国際放送が選んだ日本の名作』が一昨年の第1弾のタイトルだった。ラジオ番組で各国語に翻訳、朗読された作品のアンソロジー。NHKが選んだ作品の各版元に使用・翻訳の許諾確認をする中で、問い合わせを受けた双葉社の編集者が書籍化を提案した。だが、なかなか重版に至らない。

 同社宣伝・プロモーション部の三田村恵里さんは「教科書みたいな書名」と思ったという。編集者に伝え、昨年3月の第2弾は『1日10分のごほうび』がメインタイトルに。発売4週で重版し、20刷15万4千部まで伸びた。第1弾のカバーにも「1日10分のしあわせ」と入れたところ現在17刷12万2千部。第3弾は初版部数も増えた。「タイトルが与える印象は大きいと改めて感じた」と三田村さん。(滝沢文那)=朝日新聞2021年1月16日掲載