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講談社の売り上げ、電子書籍・権利ビジネスで紙を上回る

講談社=東京都文京区

 出版大手の講談社が19日に発表する通期決算で、電子書籍と権利ビジネスを合わせた売り上げが、紙の出版物を初めて上回ることがわかった。

 2019年12月から20年11月の講談社の売り上げ約1449億円のうち、紙の雑誌と書籍が約635億円で前年比で1・2%減、電子書籍は約532億円で19・4%増えた。「転生したらスライムだった件」「進撃の巨人」などのヒット漫画が引き続き人気なうえ、コロナ禍で巣ごもり需要が高まったことも要因とみられる。漫画を元にしたアニメ化やゲーム化などに伴う権利ビジネスによる収入は約170億円で、特に海外向けは前年より3割ほど増えた。

 講談社全体で売り上げは前年比6・7%増、当期純利益は同36億円増の約108億円だった。

 出版界全体では、出版科学研究所によると、20年の電子出版の市場規模は3931億円で、前年比28%増。16年からほぼ倍増し、紙と合わせた市場全体の4分の1近くを占めるほどになった。うち87%が電子コミックで、講談社など漫画に強い大手では電子出版の割合がより高くなっている。一方、紙の市場は16年連続で減少している。

(滝沢文那)朝日新聞デジタル2021年02月19日掲載

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