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「世界のサンドイッチ図鑑」 「何を挟むか」に文化の違い

 ゴールデンウィークの超大型連休もほぼ折り返し地点。結局どこにも遠出することなく連休を終えてしまいそう……という人におすすめの図鑑を見つけました。その名も「世界のサンドイッチ図鑑」。

 サンドイッチ好きの著者、佐藤政人さんが世界各地のサンドイッチ355種類を簡単なレシピと共に紹介しています。驚くべきことに、掲載されているほとんどのサンドイッチは、佐藤さんが撮影用に手作りしたものだということ。

 日本でサンドイッチというと、コンビニにも並んでいるような耳を切り落とした食パンでハムや野菜、タマゴなどの具材を挟んだものが一般的ですが、世界のサンドイッチは千差万別。「サンドイッチには各地の食文化が色濃く反映されているから」と佐藤さんは言います。サンドイッチを通して垣間見える各地の歴史や文化についても言及されているのは、本書ならではの面白いところです。

 個人的に作ってみたいと思ったのが、バターを塗ったパンでポテトチップスを挟んだだけという、アイルランドの「クリスプ・サンドイッチ」。わりと昔から人気があるものだそうで、パンの柔らかさとポテトチップスのパリッとした食感、甘みのあるバターの組み合わせが絶妙なんだとか。本書で取り上げられている、イングランドの「チップ・バティ」(フライドポテトを具材にしたサンドイッチ)の派生系ともいえるのかもしれません。いずれにせよ、アイルランドやイギリスはジャガイモが国民食なのだと妙に納得してしまいました。

 新緑が美しい季節。気になるサンドイッチを作って、ピクニックに出かけるのもぴったりです。近所の公園で、どこか遠い国への旅気分を味わってみてはいかがでしょうか。