自然と建築の共生は、実際には結構難しい。でも、気鋭の建築家・平田晃久(47)の作品集を見ると、建物の造り方自体に、自然のあり方を重ねていることが分かる。
魚卵が海藻に、その海藻が岩場に絡まりつくような状態をヒントに、自然や社会といった多様な存在が絡まる余地を備えた建築を目指し、これを「からまりしろ」と呼んでいる。太田市美術館・図書館も、緑や利用者、駅前の広場が絡みつき、建築の部分部分も相互に絡み合っている。(大西若人)=朝日新聞2018年7月21日掲載
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