江戸川乱歩は、こう書いている。「私は昔から自分に関する文献の蒐集(しゅうしゅう)癖をも持っている」「自分が一番可愛いのだから、自己蒐集こそ最も意味があるのではないか」
そうしてスクラップした新聞記事や手紙などに自ら解説をつけ、製本もしたのが、『貼雑年譜(はりまぜねんぷ)』だ。それを限定200部、本体価格30万円で、限りなく現物に近い形で復刻した東京創元社の戸川安宣さん。「日本古書通信」を長年編集した八木福次郎さん……。ひたすら本を集める人たちに、自らも蒐集するライター・編集者が話を聞いたのが、南陀楼綾繁(なんだろうあやしげ)著『蒐(あつ)める人 情熱と執着のゆくえ』(皓星社・1728円)だ。
古本屋は「書かれたもの・時代が刻印されているものを、次の世代まで生き延びさせるための延命装置」といい、「古書日月堂」を営む佐藤真砂さんに、ほっとする。
「仮面ライダースナック」の袋から始まって、趣味の雑誌や実用本を集め続ける串間努さんの「蒐集家も高齢に至る前にコレクションをどう処分するかが今後の課題だ」という話は、ひとごとではない。(石田祐樹)=朝日新聞2018年9月1日掲載
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