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「まるわかり『仏像図鑑』」 仏像に関する疑問がスッキリ

 お寺や美術館・博物館で仏像を見れば見るほどむくむくと沸き起こってくる素朴な疑問の数々。「どうして仏像はパンチパーマのような髪型なの?」「あの手のサインは何を意味しているんだろう?」「立っていたり、座っていたり、寝ていたり。ポーズの違いは?」などなど。そんな仏像にまつわる疑問に答えてくれるのが「まるわかり『仏像図鑑』」です。

 仏像が生まれた背景や仏像の種類、時代ごとの仏像の特徴など、仏像に関する基礎知識にはじまり、「如来」「菩薩」「明王」「天」と仏像の種類別に姿形の特徴や役割をイラストを交えて解説。

 個人的に勉強になったのは、仏像の種類ごとに持ち物にも特徴があるということ。「持物(じもつ)」と呼ばれる、仏像が手にしている持ち物で仏像を見分けることもできるといいます。基本的には装飾品を身につけず持物も持たないシンプルな外見の如来に対し、菩薩はその救済の役割によって持つものが変わるといいます。悪を払う明王が手にしているのは武器、武将や天女など姿形がバラエティ豊かな天は持物も武具や楽器、果物と個性的です。

 他にも、お寺の構造と各仏像が安置されている場所の関係や美術館・博物館で掲示されている解説プレートの基本的な読み解き方、仏像に関する基本用語も収録。仏像鑑賞入門者にピッタリの一冊です。