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【検定百景#20】境港妖怪検定:妖怪はあなたの住む地域にもいる!

(正解は記事の最後で!)

 『ゲゲゲの鬼太郎』や『犬夜叉』、最近では『妖怪ウォッチ』など、妖怪をテーマにした作品はたくさんあります。怪談話に出てくるいわゆる「怖い」存在であったり、どこかほのぼのとした、身近な印象も与えてくれる妖怪たち。そんな妖怪の世界に迫っていくのが、今回紹介する境港妖怪検定です。

 検定の名前を聞くと、まず「境港」とは?と気になる人も多いと思います。検定が運営される鳥取県境港市のことで、同時に妖怪漫画の巨匠として知られる、水木しげるさんの出身地でもあります。いわゆるご当地検定ではありますが、検定は東京都調布市でも開催され、2006年の第一回の開催から現在まで、およそ6000人が受検してきました。

 「検定のきっかけは、(主催団体となる)境港商工会議所が100周年を迎えたことにありました。記念に何か新しく町おこしをしようと考えたときに、妖怪検定を思いついたそうです」と語るのは、境港商工会議所と共同で検定運営にあたる、境港市観光協会事務局長の古橋剛さん。境港市はもともと水木しげる記念館や、妖怪たちのオブジェ、またモニュメントが並ぶ水木しげるロードなどで妖怪のスポットとして知られており、検定もまた、そうした「妖怪の町」としての側面に光を当てることとなりました。

 では、検定の内容は?初級や中級はさまざまな妖怪の名前やその特徴などの知識(+開催地となる境港市、調布市の基礎的な情報)が問われますが、上級はなかなか鬼門です。原稿用紙3枚以内で、提示されたテーマについて述べる論文形式の試験で、妖怪の知識に加え、文章力や民俗学の知識なども問われるものとなっています。ここまでくると、まさに「妖怪博士」という感じがしますね。

 妖怪の伝承は日本各地に存在し、その特徴も土地ごとにさまざまなものとなっています。つまり、妖怪を知ることは、日本の風土や文化を知ることにもつながります。なぜ、この妖怪は生まれたのか?そのように考えることが、日本を知る大きな一歩になるのかもしれません。

例題にチャレンジ!

【問題】
次の文章を読み、以下の問いに答えなさい。

河童よりさらに人間に近い姿をしていて、和漢三才図会に載っている、(  A  )は、気のよさそうなというか、まるで人畜無害といった顔つきをしている。実際、性格もおとなしいようで、二人ずつ並んで物語などを語っていることが多いなどと、(  B  )にも記されている。

1.( A )に入るこの妖怪の名前を記入しなさい。

2.( B )に入る書物の名前を、次の(ア)~(ウ)から1つ選びなさい。

(ア)和訓栞(江戸時代の国語辞書)
(イ)怪談老の杖(江戸時代の怪談集)
(ウ)本朝奇跡談(江戸時代の紀行物)

【正解】タイトル問題=油すまし(あぶらすまし)、問題1=川男(かわおとこ)、問題2=ア