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ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由 [著]酒井穣

2018年02月11日

■負担を分散し、仕事との両立を

 超高齢社会・日本。親の介護は誰にとっても他人事(ひとごと)ではない。介護離職の爆発的な増加も予測されるなか、本書は徹底して介護離職のリスクを説き、その回避策を示す。
 介護離職の決断は介護の初期に集中するという。ほとんどの人が情報不足のまま介護生活に突入。パニックに陥って、介護に専念すればラクになる、それが親孝行だ、などと思い込んでしまうのだ。ところが仕事を辞めても肉体的・精神的な負担は減らず、かえって増える。燃え尽きてうつになり、親を虐待してしまうことも。再就職は難しく、運良く仕事が見つかっても年収は半減。介護離婚に至ることもあると釘を刺す。
 そこで本書では介護と仕事を両立させる策として、優秀な介護のプロに頼ることや家族会への参加を提案。「家族と介護サービスのプロによるチーム戦」と捉え、マネジメント能力も駆使しながら負担を分散せよと諭す。
 介護経験者でもある著者。想定していたキャリアを一切あきらめない介護などない、との言葉が重い。先日の小室哲哉さんの引退も(きっかけはさておき)苦悩の末の介護離職ともとれる。まさに時宜を得たテーマで、企業側の取り組みの必要性を痛感した。
 梶山寿子(ジャーナリスト)

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