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日本人は知らない中国セレブ消費 [著]袁静

2018年03月18日

■意外だが納得、「プチ富裕層」攻略法

 インバウンド消費といえば“爆買い”をする中国人の団体客が思い浮かぶ。ときにそのマナーの悪さが問題になるが、訪日する中国人のなかには、静かに旅をする洗練された個人客もいるという。
 彼らは大都市に住む高学歴・高収入の「プチ富裕層」たち。田舎で星空を見る、沖縄で青い海を眺める、ただそれだけのために日本にやって来る。中国にも海辺のリゾートはあるが、ぼったくられる心配のない日本は、安心感も魅力のうち。しかも、彼らにとって日本の高級飲食店や旅館はかなり割安に映るらしい。
 中国の上位1割にすぎないプチ富裕層だが、人数は日本の人口より多い。こんな上客を逃してはならぬと、彼らの嗜好(しこう)や価値観、生活スタイルを解説しつつ、その攻略法を説く。角部屋を嫌う、喫茶店で出る「お冷や」はありがた迷惑など、意外な(だが理由を知れば納得の)情報も満載。トリビア的にも楽しめる。
 著者は日本を熟知した中国人起業家。日本企業の中国ビジネスの巧拙にも言及し、したたかな台湾人を見習え、と発破をかける。上海人と北京人の違い、ハウス食品のカレーが人気を得た理由など興味深い論考も。中国社会の多様性と変化をリアルに伝える。
 梶山寿子(ジャーナリスト)

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