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福岡市が地方最強の都市になった理由 [著]木下斉

2018年04月14日

■経営の視点で見る、生き残りの知恵

 「地方消滅」の次は「地方創生」が流行語となっている。その中で、福岡市の存在感が急上昇中だ。2016年に政令指定都市の人口で、神戸市を抜いて5位にランクイン。人口増加率では東京をしのいで1位、人口増加数も2位の川崎市に大差をつけて1位。しかも10代、20代の若者人口数が多い……と、記録ラッシュなのである。
 躍進の理由を、著者は「都市経営」の視点で読み解く。福岡の優位性は何か。以下、学校数が多い。まちのど真ん中に空港がある。有名企業とともに、新規起業家が集積。市域がコンパクトで職住接近可能……というもので、それらが雇用と人口増につながり、正の循環を描く。
 福岡市は高度経済成長時代に独自の「常識破り」を行った。すなわち、行政ではなく民間主導。工場誘致から早々と撤退。開発抑制を徹底、といった「打ち手」だ。そこには、水不足で工場誘致も市街地拡大もできなかったという、都市としてのハンディキャップがあった。
 会社も都市も弱みを乗り越える時に、生き残りの知恵がつく。「お金がない」「時代が悪い」と思うなら、むしろ今こそチャンスを手にしている、と考えるべきなのだ。
 清野由美(ジャーナリスト)

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