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「お寺のどうぶつ図鑑」 初詣のついでに霊獣探し

「お寺のどうぶつ図鑑」(二見書房)より

 毎月第2土曜日は「お寺の日」。コロナ対策として初詣の前倒しを呼びかける寺社が増えている中、今年最後の「お寺の日」に近くのお寺を参拝してみてはいかがでしょうか。

 お寺参りのお供におすすめしたいのが「お寺のどうぶつ図鑑」です。本書は、お寺に祀られている60種類の動物を「陸の生き物」「水辺の生き物」「空の生き物」「霊的な生き物」に分類し、ご利益をはじめ、仏教との関係や各地の寺院とのゆかりを解説。お寺で出会える、さまざまな動物をかたどった像や絵、授与品なども写真やイラストで紹介しています。

 中には、アマビエと並んで今年注目を集めた疫病除けの神獣「白澤(はくたく)」の姿も。白澤は中国に伝わる想像上の霊獣で、白澤を描いた絵には邪気を祓う力があると信じられていたといいます。その信仰が日本にも伝わり、江戸時代には庶民の間でも魔除けの護符として流行ったんだとか。

「お寺のどうぶつ図鑑」(二見書房)より

 江戸時代、白澤と獏は同一視されていたようで、東京・目黒の五百羅漢寺には獏の姿をした白澤像があるとのこと。絵でも像でも白澤を拝んで、来年は少しでも心穏やかな日々が過ごせるようお祈りしたいものです。

 本書を参考に、近所のお寺で見かけた動物について知るもよし、来年の干支であるウシや生まれ年の干支にちなんだ寺院を参拝するのもよし。動物を入り口に、お寺をもっと身近に感じられる一冊です。

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