2011年01月09日の書評一覧

黄金の夢の歌 [著]津島佑子

黄金の夢の歌 [著]津島佑子

■胸の底に流れる、定住以前の記憶  私はこの作品に、久しく小説に対して抱いたことのない興味を覚えた。一見すると、これは、キルギスや内モンゴルへの観光旅行記である。とりたてて事件はないし、物語性もない………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]文芸 国際

科学の科学 コレージュ・ド・フランス最終講義 [著]ピエール・ブルデュー著

科学の科学 コレージュ・ド・フランス最終講義 [著]ピエール・ブルデュー著

■科学の現場の「構造」、明らかに  1998年、新3種混合ワクチンの接種が自閉症の原因となるとする論文が発表され、大きな反響を呼んだ。ところが最近の調査で、この報告が執筆者である医師のでっちあげだっ………[もっと読む]

[評者]斎藤環(精神科医)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]教育 人文 科学・生物

知の棘―歴史が書きかえられる時 [著]上村忠男

知の棘―歴史が書きかえられる時 [著]上村忠男

■「歴史はいかに可能か」問う  時代に歴史が満ち満ちていた六〇年代を遠く離れて、高度にシステム化された資本主義社会のいまは「歴史の暮れ方」であると著者は書く。その歴史なき時代に、歴史認識はどんなかた………[もっと読む]

[評者]高村薫(作家)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]歴史 人文

ロードサイド・クロス [著]ジェフリー・ディーヴァー

ロードサイド・クロス [著]ジェフリー・ディーヴァー

■人間的魅力たっぷりのヒロイン  本書のテーマはネットでのいじめだ。ネットの匿名性に隠れて他人を誹謗(ひぼう)、中傷する事件が後を絶たないが、著者はそうした危険を警告するためにこのミステリーを書いた………[もっと読む]

[評者]江上剛(作家)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]文芸

デカルトの骨―死後の伝記 [著]ラッセル・ショート

デカルトの骨―死後の伝記 [著]ラッセル・ショート

■「近代」との歩み、頭蓋骨までも  虎は死して皮を残す、という。では、人間は? 業績、著書、あるいは伝説だろうか。いや、そんなものは時の移ろいの中でははかない。確実に残る、といえるのは、骨、だけであ………[もっと読む]

[評者]田中貴子(甲南大学教授)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

日本の解放区を旅する [著]鎌田慧

日本の解放区を旅する [著]鎌田慧

■矛盾に目をつぶらない姿勢  本書を読んでの率直な感想は日本社会が二重構造になっていることだ。光と影という構造ではなく、現実のシステムやそれを支える理念がすべて逆手にとられて、そこに非人間的空間が生………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]社会 ノンフィクション・評伝

梅原龍三郎とルノワール [編著]嶋田華子

梅原龍三郎とルノワール [編著]嶋田華子

■巨匠の全存在を肉体に刻む幸運  雲の上の巨匠といえども、当たって砕ければ意外と会ってくれるものなんだ。ぼくの場合のダリのように。梅原龍三郎はそうして自らの手でルノワールの門戸を開いたのである。  ………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]アート・ファッション・芸能 ノンフィクション・評伝

昔日の客 [著]関口良雄

昔日の客 [著]関口良雄

■そんな古書店もあったんだ  深夜に読了。感慨というべきか、闇の中で、この本が描く、恐らく今では取り戻せないだろう世界に思いが広がり、しばし眠れなかった。  30歳をすぎた昭和28年、馬込文士村に近………[もっと読む]

[評者]四ノ原恒憲(朝日新聞記者)
[掲載]2011年01月09日
[ジャンル]社会

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