2011年08月28日の書評一覧

歌集 蝉声 [著]河野裕子

歌集 蝉声 [著]河野裕子

■〈私〉自身の肉体を離れた眼差し  『蝉声』の読みは「せんせい」。昨年亡くなった河野裕子の遺歌集である。 〈髪も眉もまつげも脱けますよ それぢやあ私は何になるのか〉  抗癌剤(こうがんざい)の副作用………[もっと読む]

[評者]穂村弘(歌人)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]文芸

笑顔の国、ツバルで考えたこと [著]枝廣淳子、小林誠

笑顔の国、ツバルで考えたこと [著]枝廣淳子、小林誠

 地球温暖化で海に沈みゆく島という悲劇的な側面が強調されるが、おおらかな暮らしぶりも紹介している等身大の報告書だ。  ツバルを構成する九つの島のほとんどは標高1〜2メートルで、人口は約9000人。主要………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]歴史 社会

だれか来ている―小さな声の美術論 [著]杉本秀太郎

だれか来ている―小さな声の美術論 [著]杉本秀太郎

 その一つ一つが完結した小宇宙のような40余のエッセーで編まれている。  それぞれの空には、中国・後漢時代の墳墓からの出土品、江戸の赤楽茶わん、上村松園の日本画から、中世フランスのタピスリー、ベックリ………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]文芸

リトル・ピープルの時代 [著]宇野常寛

リトル・ピープルの時代 [著]宇野常寛

■小さな物語に依存「拡張現実の時代」  本書は『ゼロ年代の想像力』で華々しいデビューを飾った若手批評家の三年ぶりの書き下ろし評論集である。テーマは再び「想像力」だ。議論の構えは大きい。震災後の現状を………[もっと読む]

[評者]斎藤環(精神科医)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]社会

本音で語る沖縄史 [著]仲村清司

本音で語る沖縄史 [著]仲村清司

■複眼的視点、世界史の中で通観  昨年まで普天間基地の移転をめぐる騒動があったことは、震災後に忘れられている。しかし、近い将来、沖縄の問題がもっと深刻な争点になることはまちがいない。これは、その危険………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]歴史 ノンフィクション・評伝

コンニャク屋漂流記 [著]星野博美

コンニャク屋漂流記 [著]星野博美

■屋号の由来は? ルーツを探る  ルーツ探しが新たなブームを迎えているようだ。テレビではNHKの「ファミリーヒストリー」が芸能人の知られざるルーツを紹介しているし、今年の春にはやはりノンフィクション………[もっと読む]

[評者]松永美穂(早稲田大学教授・ドイツ文学)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

不可能 [著]松浦寿輝

不可能 [著]松浦寿輝

■三島由紀夫がもし生き延びたら  一九七〇年、自衛隊市ケ谷駐屯地で割腹した三島由紀夫がもし死なずに生き延びてたら。というのが本作の主軸となるアイデアである。主人公の平岡(三島の本名)は二七年の服役を………[もっと読む]

[評者]奥泉光(作家)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]文芸

神保町 タンゴ喫茶 劇場 [著]堀ミチヨ

神保町 タンゴ喫茶 劇場 [著]堀ミチヨ

■お客の生態 克明な観察記録  古書とタンゴのファンなら誰でも知っている東京・神田神保町のある喫茶店で働いていた女性の「お客観察記録」とでもいうべき本。仕事場が近い評者もときどき行く、その筋では有名………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

父・西條八十の横顔 [著]西條八束 [編]西條八峯

父・西條八十の横顔 [著]西條八束 [編]西條八峯

■子と孫が立体的に描く実像  子が父を語る、それを孫が編む。三代を結ぶ糸は畏敬(いけい)と信頼である。加えて直截(ちょくせつ)に評伝風に編んだのではなく、西條八十を見つめる子の目、その八十の家族関係………[もっと読む]

[評者]保阪正康(ノンフィクション作家)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]人文 ノンフィクション・評伝

米国製エリートは本当にすごいのか? [著]佐々木紀彦

米国製エリートは本当にすごいのか? [著]佐々木紀彦

■優秀な人 育て上げるシステム  本当のエリートがどこにいるのか分からなくなってしまった最近の日本では、飛びつきたくなるようなタイトルの本である。本書はスタンフォード大学への留学経験に基づいて、著者………[もっと読む]

[評者]植田和男(東京大学教授)
[掲載]2011年08月28日
[ジャンル]教育 国際

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