2012年07月29日の書評一覧

台湾海峡一九四九  [著]龍應台

台湾海峡一九四九  [著]龍應台

■生死と離散の人生、語り始めた兵たち  ドイツで暮らす、十九歳の息子が兵役により間もなく入営しなければならない。そんな息子に、母親である著者が、一九四九年の「兵隊さん」を語り出す。戦争の渦に巻き込ま………[もっと読む]

[評者]楊逸(作家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]歴史

あなたが愛した記憶  [著]誉田哲也

あなたが愛した記憶  [著]誉田哲也

■超常現象支える細部の現実感  この著者の作風は、まことに多彩である。警察小説もあり、スプラッターもあり、青春小説もありと、なんでもござれの才筆の持ち主だ。評者は、この作家の警察小説を評価する一人だ………[もっと読む]

[評者]逢坂剛(作家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]文芸

ブルックリン・フォリーズ  [著]ポール・オースター

ブルックリン・フォリーズ  [著]ポール・オースター

■上機嫌な筆致で語る愚行の物語  本作の主人公にして語り手ネイサンは、大病、退職、離婚ののち、故郷ブルックリンに戻ってくる。時間を持て余し、「人間の愚行の書」(ザブックオブヒューマンフォリーズ)と題………[もっと読む]

[評者]小野正嗣(作家・明治学院大学准教授)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]文芸

ナチスのキッチン―「食べること」の環境史  [著]藤原辰史

ナチスのキッチン―「食べること」の環境史  [著]藤原辰史

■台所に介入する独裁者の恐怖  「飽食」時代の人間は、自分の眼(め)や鼻を信じない。賞味期限の数字を信用する。腐ってもいないのに捨てる。五官が衰えると、人は単純なものしか好まぬ。過激な言辞を喜ぶ。独………[もっと読む]

[評者]出久根達郎(作家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]歴史

江戸文化再考―これからの近代を創るために  [著]中野三敏

江戸文化再考―これからの近代を創るために  [著]中野三敏

 「近代の芽」として評価できる部分だけをつまみ上げる、従来の近代主義的な見方をやめて、江戸の人と直接話をするつもりで江戸を眺めよう。品格を重んずる「雅」と、人間味のある「俗」の文化が共存しつつ、次第に………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]歴史

山口百恵―赤と青とイミテイション・ゴールドと  [著]中川右介

山口百恵―赤と青とイミテイション・ゴールドと  [著]中川右介

 山口百恵が1973年に14歳でデビューしてから80年に21歳で引退するまでを、膨大な文献と映像資料を確認して書いた“史伝”。彼女自身が雑誌などに語ったインタビューのほか、プロデューサー、作詞家、作曲………[もっと読む]

[評者]
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

魂の詩人 パゾリーニ  [著]ニコ・ナルディーニ

魂の詩人 パゾリーニ  [著]ニコ・ナルディーニ

■左翼で異端、背徳的想像力の源  パゾリーニといえば同性愛のレッテルを貼られた左翼的異端のスキャンダラスな映画監督、という印象が強いけれど、どこか呪われた星の下に産み落とされた芸術家として英雄的に崇………[もっと読む]

[評者]横尾忠則(美術家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

ガリ切りの記―生活記録運動と四日市公害  [著]澤井余志郎

ガリ切りの記―生活記録運動と四日市公害  [著]澤井余志郎

■文字以上の何かを刻み込み     ツイッターはもちろん、ワープロも一般化していなかったころ、さまざまな社会活動で活躍したのがガリ版印刷だった。  がりがり音をたてながら原紙に文字を刻む。それを「ガ………[もっと読む]

[評者]上丸洋一(本社編集委員)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

瓦が語る日本史―中世寺院から近世城郭まで  [著]山崎信二

瓦が語る日本史―中世寺院から近世城郭まで  [著]山崎信二

■マニアックに奥深く楽しい歴史   瓦なんて似たり寄ったりと思ったら大間違い。東大寺や法隆寺の修復だけ見てもいろんな地方の瓦があって、それが当時の物質流通をも物語る! さらに、製法ばかりか瓦職人がい………[もっと読む]

[評者]山形浩生(評論家)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]歴史

フロイト講義〈死の欲動〉を読む [著]小林敏明

フロイト講義〈死の欲動〉を読む [著]小林敏明

■分子生物学の研究成果で裏付け  フロイトは63歳になって『快感原則の彼岸』(1920年)という論文を発表し、その中で「死の欲動」という概念を提起した。それまでの精神分析では生の(性的)欲動が主であ………[もっと読む]

[評者]柄谷行人(哲学者)
[掲載]2012年07月29日
[ジャンル]ノンフィクション・評伝

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